後に『機動警察パトレイバー2 the Movie』のレイアウトはまとめられ、『Methods 押井守「パトレイバー2」演出ノート』(角川書店)という1冊の本になる。同作のレイアウトを収め、そこに押井のコメントが添えられたこの本は、アニメ業界でも広く活用され、制作工程の中でレイアウトに重きを置くスタイルが浸透・拡散するきっかけともなった。
その原点が『天使のたまご』にあったのだ。
ところでレイアウトって何? というあなたに簡単な説明だけしておこう。
レイアウトというのは、そのカットの背景とキャラクターをまとめて1枚の絵に描いたもの。描くのは基本的にアニメーター。これがその後の背景、作画の作業のベースとなる。
じゃあ、なんでレイアウトが重要なのか。
そこについては『機動警察パトレイバー2 the Movie』を紹介する時に詳しく触れる。ここでは、レイアウトというものがあるんだ、ということぐらい覚えていてもらえれば、と思う。
今回はわりと押井監督の言葉を引用したので、最後も『天使のたまご』について語った発言の引用で締めくくろう。
「すごく個人的な作品であることは間違いないね。自分が抱えてきた原風景みたいなものだね。おそらく。そういうものが全部入っている。廃墟であり、水であり、魚であり鳥であり、一種の宗教的な何かであり、終末であり……それ以降の仕事の原点になった作品であることは間違いない。自分にとっては神話なんだ。自分にとっての起源を探るみたいな映画。作者イコール作品ではなくて、作者も観客の一部で、作りながら、自分の一種の夢の分析をしつつ、その映画を理解していくっていう風なものでいいんじゃないか。それができるのは映画だけだ、っていう思いがあった」
というわけで、次回はここでも語られた「魚」と「鳥」と「犬」にスポットを当てたいと思う。