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【artwork】
『大江戸ロケット』
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【artwork】『大江戸ロケット』
一発目 花も実もあるメインキャラ


 現在好評放映中のTVシリーズ『大江戸ロケット』。劇団☆新感線の同名舞台を『鋼の錬金術師』の水島精二×會川昇コンビが映像化した、なんでもありのエンターテイメント時代劇だ。絵師頭取(キャラクターデザイン・総作画監督)を務めるのは、WEBアニメスタイルの人気コーナー「サムシング吉松の死んぢゃえばいいのに!」でおなじみ、吉松孝博。さらにマンガ家のみなもと太郎や椎名高志といった多彩な面々が客演絵師(ゲストデザイナー)として参加し、バラエティ豊かな作品世界を展開させている。
 今回の【artwork】コーナーでは、そんな『大江戸ロケット』の見応えあるキャラクター設定資料を、貴重なラフ設定画も交えてどっさり紹介。また、アニメスタイル特別バージョンとして、吉松孝博によるコメンタリー付きでお届け!



●玉屋清吉(声之演出:沢海陽子)
本作の主人公。弟の駿平と風来長屋に暮らす江戸っ子の花火職人。謎の美少女ソラに頼まれ、「月まで届くどでかい打ち上げ花火」を作る事に。こうと決めたら頑固に突っ走る一本気な性格だが、女の子にはちょっとオクテ。




《吉松コメンタリー》
アニメだと、清吉や駿平はわりと「オボコい」感じになってますね。もっと青年ぽいデザインでもよかったかもしれないけど、内容を考えるとね。本編では、おソラさんとの微妙な心のすれ違いみたいな事を結構やっているので、それを青年キャラでやると非常に生々しくなっちゃう(笑)。だから、これはこれで結果オーライかな、と。



●ソラ(声之演出:藤村知可)
ある日いきなり清吉の前に現れた不思議な女の子。特別大きな花火を作ってほしいと清吉に頼み込み、風来長屋で暮らし始める。奇矯な言動と浮世離れした風貌の持ち主だが、素直で純真な魅力で、たちまち長屋のマドンナに。



《吉松コメンタリー》
僕はいつも、ヒロインに関しては、おでこをドカーンと出すんです。前髪がチャラチャラしてるのが非常にうざくて。それに前髪のバリエーションなんて、世の中そんなにはないですからね。だから思い切っておでこを出しちゃうんだけど、後になって描きづらくて後悔する(苦笑)。やっぱり、髪のボリュームを徹底させるのが凄く難しい。最近気が付いたんですけど、ちょっと水前寺清子みたいに見えますね(笑)。
着物には、宇宙をイメージする星だとか、流れ星とか、銀河をイメージするグルグル巻き(笑)とかをあしらってます。宇宙人である事をアピールするために、思いきって目の中に星を入れてみました。最初は目の真ん中に入れてたんですけど、何を考えてるのか分からないキャラクターになってしまったので(笑)、ハイライトにしました。



●銀次郎(声之演出:山寺宏一)
清吉達の隣の部屋に住む、男前の錠前屋。どんな鍵でも開けてしまう特異な能力を持つ。普段は遊び人風だが、いざという時は頼りになる清吉の兄貴分的存在だ。かつて上方にいた頃は名うての大泥棒だった。今は思うところあって“黒衣衆”のリーダーに。



《吉松コメンタリー》
舞台では、劇団☆新感線の看板役者である古田新太さんが演られてました。だから僕も、銀次郎というと古田さんみたいに恰幅のいいイメージがあったんですけど、水島監督から「かっこよくしちゃえば? 『TRIGUN』のヴァッシュみたいに」って言われて。だからほとんどヴァッシュです(笑)。マフラーが襟みたいになってるのも、シルエットがヴァッシュだからですね。口元のスケベぼくろは、古田さんから頂きました。服の模様は「キツネうどん」(笑)。『大江戸』の前の企画で、僕が勝手に描いたキャラで「金髪侍」という人がいたんですけど、デザイン的にはその流れですね。ちなみに清吉もその時の主人公の髪型を変えたキャラです。



●お伊勢(声之演出:朴■美[■は王へんに路])
庶民相手に生活用品や小銭を貸す損料屋「白濱屋」を切り盛りする若女将。商売柄、金の事には厳しいが、意外と情に厚いところもある。銀次郎とは上方時代からの腐れ縁。



《吉松コメンタリー》
お伊勢さんのデザインは、実は結構、気に入ってるんです。鼻の処理がちょっと珍しいというか。つまり、小池栄子さんの鼻を上品に美しくデザイン化するとどうなるだろう? という試みでして(笑)。上向きなんだけど、画的に見栄えがするという。鼻筋って、デザインする時にいつも気になるところなんです。銀次郎みたいな一本線の鼻筋って、本当は嫌なんですよ。その点、お伊勢さんの鼻筋はうまく処理できたので、鼻フェチの僕的には大満足です。



●駿平(声之演出:釘宮理恵)
清吉の弟。無類の算学好きで、兄の花火の設計を数学的見地から手伝っている。何事もすっぱり割り切れないと気が済まない性格。おソラさんと出会って以来、日常生活が一変し、気が気でない毎日を送っている。



《吉松コメンタリー》
いつも算盤を弾いているので、服の模様も算盤っぽく。で、毎日算盤を弾いていれば目も悪かろうという事で、メガネをかけさせてます。水島監督が関わる前に、一応キャラ原案を叩き台として作ってあったんだけど、その時からメガネキャラでした。でも最初はこんなに可愛いキャラではなかったですね。出来上がってみたら、サイバーフォーミュラのアンリくんにメガネかけたーみたいな(笑)。



[CD情報]

●『大江戸ロケット』オープニングテーマ
PUFFY「boom boom beat/大江戸流れ星IV」
「大江戸流れ星IV」/『大江戸ロケット』オープニングテーマ
「boom boom beat」/2007年度モード学園(東京・大阪・名古屋)TVCMソング
2007年7月18日発売
定価1223円(税込)
ソニーミュージック KSCL-1137
[Amazon]

●『大江戸ロケット』エンディングテーマ(7月クール)
ナチュラル ハイ「I Got Rhythm/朝色/青のキセキ」
I Got Rhythm/『大江戸ロケット』エンディングテーマ(7月クール)
朝色/マツモトキヨシ新化粧品「Retinotime」CMソング
2007年8月8日発売
定価1223円(税込)
ソニーミュージック DFCL-1382
[Amazon]

●『大江戸ロケット』エンディングテーマ(4月クール)
サンタラ「100miles〜虹を追いかけて」
2007年6月20日発売
定価1223円(税込)
ソニーミュージック QQCL-26
[Amazon]

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水島精二×會川昇×吉松孝博×マッドハウス


●公式サイト
http://www.ohedorocket.jp/


(07.07.25)

 
 
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