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【artwork】
『大江戸ロケット』
■一発目
■二発目
■三発目
■四発目
 
TOPICS

【artwork】『大江戸ロケット』
三発目 追う者、追われる者


 『大江戸ロケット』artworkの三発目に登場するのは、南町奉行・鳥居耀蔵と彼の率いる隠密集団“黒衣衆”、そして彼らが追う空から来た謎の獣。ある時は江戸を舞台に、またある時は宇宙を股に掛け、追跡とバトルを繰り返す者達のドラマは、清吉達の花火作りに何か関係が……?



●鳥居耀蔵(声之演出:若本規夫)
江戸の民から「妖怪」と呼ばれ恐れられる南町奉行。老中・水野忠邦の右腕として天保の改革を押し進めた実在の人物である。自ら組織した黒衣衆を率いて、治安を脅かす謎の獣を捕らえようとするが……。



《吉松コメンタリー》
眼力はあるんだけど、何を考えているのかサッパリ分からない。ちょっと『獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇』のプロデューサーのイメージを拝借したりしました(笑)。不思議なキャラクターになりましたね。まさか若本さんが声をあてる事になるとは思いませんでしたが。
黒衣衆の格好をするとは考えずにデザインしちゃったので、その時だけコスチュームに合わせて体型が変わるんです。けど「まあいいか、アニメだし」と思って(笑)。



●赤井西之介(声之演出:川島得愛)
南町奉行所の同心。風来長屋の住人を目の敵にして、何かというと清吉達に絡んでくるイヤな奴。彼もまた黒衣衆と共に獣の捜索に加わるが、あるひとりの女と出会った事で、魔に呑まれていく……。根っからビョーキの気あり。



《吉松コメンタリー》
これはわりと素直に作られているキャラクターですね。イヤミメガネキャラで、ちょっと男前。最初はもうちょっと銭形っぽい感じだったんですけど、水島監督の方から「もう少しいい男にしてくれ」と言われて。銀次郎と密着する場面が多いので、絡むとイヤラシイ感じが出るようにと。



●黒衣衆
鳥居率いる隠密集団。甲冑のようなコスチュームを身に纏うのは、それぞれ「カカト」「マナコ」「カイナ」「ミミ」など、体の部位の異名を持った使い手達。舞台で使われた竹田団吾デザインの舞台衣装が元になっている。








《吉松コメンタリー》
竹田さんは舞台や実写のデザイナーさんなので、アニメ的な手心を加えてくれないんですよね(笑)。線がとても多かったんですが、かっちょいい所を崩さず、どれだけ端折れるかというところがポイントでした。



●黒衣衆・市井の姿
黒衣衆として動くとき以外は、それぞれ庶民の中に混じって目立たぬよう暮らしている。カカト(踵)は飛脚、マナコ(眼)は易者、カイナ(腕)は元相撲取りの用心棒、ミミ(耳)は按摩といった具合。天保の改革で職を失った者が、改革の急先鋒である鳥居に拾われるという皮肉も……。





《吉松コメンタリー》
黒衣衆は、まず市井で普段生活している姿から考えないと、キャラクターのバリエーションを作りづらかったので、勝手に僕が作ったんです。「ミミ」は按摩だな、「カカト」は飛脚であろう、「マナコ」は見通しが利くという事で易者、とか。それを作ってから黒衣衆のコスチュームを着せていく、というやり方でした。
そのデザインを見て、會川(昇)さんが非常に気に入ってくれて。あまり本編に出る予定はなかったんだけど、いろいろと劇中でキャラを立てていただきました。キャラクターデザイナー冥利に尽きるなあ、と思いましたね。



●空の獣
正体不明の人外の獣達……白い獣と青い獣。どうやら白い獣は青い獣を追っているらしい。死闘を繰り広げる中、2匹の獣は黒衣衆に追われ、白い獣は江戸市中に姿をくらます。キャラクターデザインを手がけたのは、クレジットでは世界定に名を連ねる森山洋。




《吉松コメンタリー》
1話冒頭から、どう考えても吉松が描いたとは思えない獣が戦ってたりしますが、それらは全て森山君のお仕事です。彼と一緒に仕事がしたい、という思いは常々ありまして。元々は制作のスタッフだったんですけど、非常に面白い画を描く人で。アニメーターとしていちからやってきたわけではないので、非常に突飛な発想で画が描けるという、とても羨ましい才能の持ち主ですね。これからも周囲の皆さんの協力で、森山君と極力一緒に仕事できる環境を保っていきたいです(笑)。



●青い女(声之演出:櫻井智)
6話から登場する謎の女。浮世離れした感じはソラに似ているが、血も涙もない冷酷さを漂わせている。赤井とねんごろになり、ソラと同じく宇宙へ帰る術を探るが……。


《吉松コメンタリー》
ソラがわりと少女っぽいので、こちらは成人女性っぽいというか。年齢をやや上げた感じのライバル、というオーダーをされていました。最初は「ミキティみたいな感じがいいなあ」と監督から言われて、それを聞いてもう大喜びして、ものの30分くらいでラフ描いちゃった(笑)。その後、本編で赤井といい感じになると聞いて「そんなの耐えられない!」「だったらミキティじゃ駄目だ」という話になって、描き直しました。それでも若干、ミキティっぽいですな。キャラクター的には非常に気に入っていて、上がりを見てもいいなあと思いますね。もしミキティがモデルになってたら、もっと作画に介入してたと思うけど(笑)。



[CD情報]

●『大江戸ロケット』オープニングテーマ
PUFFY「boom boom beat/大江戸流れ星IV」
「大江戸流れ星IV」/『大江戸ロケット』オープニングテーマ
「boom boom beat」/2007年度モード学園(東京・大阪・名古屋)TVCMソング
2007年7月18日発売
定価1223円(税込)
ソニーミュージック KSCL-1137
[Amazon]

●『大江戸ロケット』エンディングテーマ(7月クール)
ナチュラル ハイ「I Got Rhythm/朝色/青のキセキ」
I Got Rhythm/『大江戸ロケット』エンディングテーマ(7月クール)
朝色/マツモトキヨシ新化粧品「Retinotime」CMソング
2007年8月8日発売
定価1223円(税込)
ソニーミュージック DFCL-1382
[Amazon]

●『大江戸ロケット』エンディングテーマ(4月クール)
サンタラ「100miles〜虹を追いかけて」
2007年6月20日発売
定価1223円(税込)
ソニーミュージック QQCL-26
[Amazon]

●公式サイト
http://www.ohedorocket.jp/


(07.07.27)

 
 
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