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平成版『鉄人28号』最終回

 今週の更新の目玉は「永沢詢インタビュー(2)」。中でも『西遊記』の動画で永沢さんが試した手法についての話が興味深いものですよ。
 突然ですが、今度の土曜日(10月2日)にトークショーの司会をやる事になりました。吉祥寺バウスシアターで『マインド・ゲーム』のレイトショーが始まるのですが(まだ未見の方は、是非この機会に!)、その初日にスペシャルトークショーが付くんですよ。出演は湯浅政明さんと細田守さん。トークは20時50分から。詳しくは『マインド・ゲーム』の公式HPをご覧になってください。

『マインド・ゲーム』公式HP
http://www.mindgame.jp/

 さて、平成版『鉄人28号』の放映が終わりました。シリーズ後半にロボットのアクションが減って、重いドラマ中心になっていったのには意外でしたが、それでも、この半年間、ずっと放映が楽しみな番組ではありました。ラストのまとめ方も渋かったですね。
 作品の評価とは別に、ちょっと気になった事があります。終盤の展開は、悪の親玉をやっつければ、大団円という話ではなかった。事件を解決して日本の平和を守れば、ハッピーエンドになるわけでもない。主人公の正太郎にとっての問題は、鉄人が兵器なのかどうか、それと父親がやった事の真相だった。ビッグファイアやベラネードは倒すべき巨悪ではないし、ブラックオックス軍団をやっつけたからといってハッピーエンドになる展開でもなかった。

 主人公がロボットという「力」を手に入れて、それを使って敵を倒す、あるいは活躍するというのが、かつて、巨大ロボットアニメの正統的な筋立てでした。主人公が「力」を持っている事に、作品が視聴者に提供する快楽があった。
 歴史を振り返ると、そういったロボットアニメの構造は次第に崩れていって、90年代半ばの『新世紀エヴァンゲリオン』で決定的なものになった。むしろ、ロボットを手に入れた事から、主人公が悩んだりする事が増えた。あるいはロボットの力を行使する事が物語の中心ではなくなっていった。敵もいかにもな悪ではなくて、何だかわからない正体不明の存在のものが多くなった。勿論『エヴァ』がそうだし、『RAhXePhON』『神魂合体 ゴーダンナー』『蒼穹のファフナー』もそうです。

 この平成版『鉄人28号』も、そういった近年のロボットアニメの流れの中にある1本となりました。戦うために作られたロボットの意味が劇中で問われた終盤の展開は、その決定版と言えるものかもしれません。

(2004/09/30)


更新情報(04/10/01・第145回)

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