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COLUMN
池Pの すごい? カレイドスター回想録[池田東陽]

第18回 バリカン婆々のお世話に?


●DVD「カレイドスター Legend of phoenix 〜レイラ・ハミルトン物語〜」
(販売元:アトラス)
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『カレイドスター Legend of phoenix 〜レイラ・ハミルトン物語〜』

 池田的な思い出はやっぱ『納品』ですね。
 先行上映会イベントの質問や第2.5回でも言ってますが、マジでやばかった。
 何度納品時期をかけあったことか、何度現場スケジュールをズラしたことか……。
 最後なんて2、3日おきに制作の金子真枝ちゃんから泣きの電話でズラしてました。
 始末書なんてあたりまえ。ぶっちゃけ頭まるめる覚悟でしたね。
 ここWEBアニメスタイルさんでも連載されてます浦沢義雄さんの『美少女仮面ポワトリン』の「バリカン婆々」に頭刈ってもらうっす。
 そんで「ディアブル」みたいに出家して出直し……てなことにならなくてよかったよ(汗)。

 ●コンセプト
 何度も言ってますが、『カレイドスター』という作品は、《不変的におもしろいモノ》と《本物のエンターテインメント》というふたつの命題を佐藤順一監督と2人掲げてスタートさせた企画です。
 もちろん『レイラ物語』もそこには変わりはないです。
 ただ、池田的には『レイラ物語』を作っている間、言葉の意味は同じなんですが、《本当に観てほしいモノ》という意識が強かったです。

 ●企画意図
 企画開始のキッカケは部屋で1人で酒を飲んで酔っ払ってる時に、急に池田の脳を襲った衝動――。
 「俺はもっとレイラさんを観てみたい!」
 それで脳内妄想がどんどんエスカレートしてアドレナリンが止まらなくなって、「じゃあ、創ればいいじゃないか!」という結論になって、一気に企画書を書き上げてました。
 まあ、やれるだけマシかと思いました。発売自体も昨年の2月くらいから始まる予定でした。ただ、いざ制作を開始してみると、どうも監督もライターさんもシックリこない。何を描けばいいのか全然見えてきませんでした。僕もプロデューサーとしてTVシリーズの時にあった勝機や“いける!”という手ごたえがない。それでも発売開始は迫ってきている。
 そんなかなり難航していた時に事件が……。ネットによる情報漏洩です。
 ま、それがよいキッカケになって気を取り直して、思い切って予算からスケジュールから一切をチャラにしてやり直すことにしました。災い転じてナントヤラというやつです。よかったよかった(笑)。

 ●フェニックスマーク
 また、現場的なことで言えば、フェニックスマークはカレイドマーク同様、キャラデザの追崎君の手によるもの。
 初稿では白鳥っぽいシルエットだったり、『復活』の飛翔のイメージが少なかったりなどして、第4稿くらいまで頑張ってもらいました。おかげでカッチョイイのが仕上がって大満足♪
 最終的には『カレイド』の新年会をやった四谷の居酒屋で、広橋さんや大原さんやらを交えてその場で決めました。
 最終稿は3パターンあって、それをみんなで酒飲んで鍋をつつきながら、「私はパターンAがいいな」とか「僕はパターンCのこの羽の部分が好き」など、ああでもないこうでもないと意見を交換していると……大原さやかさんがジッと目を凝らして見比べ一言。
 「……ん〜と、どこが違うの?」
 全員、唖然。デザインした追ちゃん、愕然。
 レイラさん……自分に失望してください。
 そして「追ちゃんにあやまれ!(笑)」。


 次回は最終回です。
 これまでの総括と池田的視点でサトジュン監督という人物に触れてみたいと思います。

■最終回へ続く


●公式サイト
http://www.kaleidostar.jp/

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(06.03.17)

 
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