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COLUMN
池Pの すごい? カレイドスター回想録[池田東陽]

第14回 シッポを立てろ! 「冒険者(愚か者)たち」

●DVD「カレイドスター Stage.14」
(販売元:アトラス 第43〜45話を収録)
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第43話「ポリスの すごい プロポーズ」

 井之川さん演出の回。
 コンテの半分はサトジュン監督の力をお借りしたのですが、佐藤監督曰く、「あのテンションに負けないで作業するのは大変だった」との事。
 佐藤監督にそう言わせるほど、この話はカレイドの中でも最も特異な話です。
 演出方法も作画のニュアンスもお話も、他の話とは一線を画しています。井ノ川さんにお願いしたのもソコらへんに理由があるのですが、中瀬さん脚本のテンションにも負けないフィルムになりましたね。
 井之川さんは、池田が佐藤監督と出会うキッカケとなった弊社の『GATE KEEPERS』という作品の第1話の演出担当で、それが初対面です。まぁ、一言で言えば、ホントに「愛すべきダメ人間」です(爆)。先週、一緒に飲みに行ったんですが、相変わらず「自分よりデタラメな人もいるんだ」と思いました(苦笑)。
 彼とは趣味とか琴線に触れるモノがびっくりするくらいシンクロするのです。
 筋金入りの「カレイド馬鹿」で、ipodの刻印サービスで『レイラ物語』のテーマソングの一節を入れちゃうくらいです(苦笑)。
 でも、ソコがあるからこそ、こういうフィルムが生まれるんですね。
 井ノ川さん曰く、
 「あのコンテ……佐藤監督、よくOKしてくれたなぁ(苦笑)」
 との事。

 池田個人的にはサラさんとキャシーのファーストコンタクトに感動……。
 ゴメン、セラヲタで(^^;)


第44話「笑顔の すごい 発進!」

 絶対王者の復活フラグが立った回ですね。
 『レイラ物語』を御覧になってくださった方には、もう一度観返してほしい回です。
 レイラの自宅リビングで2人きり、お互いの気持ちを打ち明け合うシーン……より一層『レイラ物語』を楽しんでもらえると思います。
 帰路につく、そらを窓越しに見て、自分の本当の気持ちに気づくレイラさん。
『ガンバ』で喩えると――無謀な戦いに挑むガンバにイカサマが問うシーン(たしか第3話)。「なんでノロイ島に行くのか?」と。
 ガンバが答えたその理由はひとつだけ……「シッポがうずく」から。
 レイラさんの心中も、それに近い「何か」がうずいたんでしょうね。
 『カレイド』で言うところの“愚か者”とは、きっとあの7匹の“冒険者たち”と同意の言葉だと思います。

 ファンの方からはよく「『カレイド』は2回目のほうが泣ける」というご意見を頂きます。特に多いのがやはり第1話。
 “全てはあそこから”という意味なのですが、この44話も是非是非。


第45話「レオンの すごい 過去」

 フランス巡業話。
 池田はこの話を観返すたびに作品の思い出よりも、フランス出張の事を思い出します。
 この企画を成立させるための最初の営業(お金集め)用の素材は2分間のパイロットフィルムでした。これを持って海外でのコンベンションに参加しました。
 ファンクラブの公式資料などでは何度か話していますが、オリジナルメンバーで“一気”に創り上げた奇跡のフィルムです。完成したのは池田が成田空港を飛び立つ数時間前という恐ろしい状況でした。
 このフランス営業があったから、今のカレイドがあると言っても過言ではありません。
 しかし、池田は英語どころかフランス語なんて単語ふたつくらいしか知らなかったので、第45話で描かれているエトワールサーカスのエピソードやタクシー乗り場のシーンを観るたびに「いろんな悪夢」が思い出されます(苦笑)。
 ま、そこは書くと長いので別の機会があればってことで……。
 『カレイド』風にサブタイをつけるとすると――
 ジャパニーズの すごい ドランカー
 白タクへの すごい 反撃
 某巨匠との すごい モナコ初体験
 カンヌの すごい 喫煙マナー
 迷子国際免許 すごい パリへの道
 パリの すごい イギリス人ペテン師
 ――てな感じの、ツライ&カルチャーショックな思い出がてんこ盛りでした(涙)。

 企画当時の世界観設定はアメリカではなく日本でしたので、フランスという舞台は皆無でした。ですから何かの縁なのでしょう。
 だけど、僕はあの国にとてもトラウマをもっています……。できればもう行きたくないです。コンクリートデスマッチにトラウマを持つ某正義超人のごとく。


 さてさてさて。
 いよいよ物語はクライマックス。絶対王者が黄金の翼を広げはじめ、最終巻には名曲「Ray of light」や“天使の技”が待っています。が……その前に!! 次回は“クレッセントビーーーーーム!!!”が炸裂でございます。……小黒編集長、フォローして(懇願)。


■第15回へ続く


●公式サイト
http://www.kaleidostar.jp/

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(06.02.10)

 
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