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【編集部】「この人に話を聞きたい」単行本(10)
黄瀬和哉さんのインタビューをちょっとだけ紹介


 「インタビューをちょっとだけ紹介」シリーズは、今日でオシマイです。黄瀬和哉さんの取材記事から、冒頭部分を抜粋してお届けします。
 

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―― 今まで黄瀬さんが雑誌の取材等で、まとめて御自分の仕事について話した事ってあります?
黄瀬 ほとんどないと思います。あまり、自分の事を話すのは得意じゃないんですよ。
―― お馴染みの質問からいきますね。この業界を目指されたきっかけは。
黄瀬 まあ、学生の頃からアニメが好きは好きだったんですけど。「画を描いてメシが食えたら、いいな」というのが一番大きいですね。他にしたい事がなかったので。
―― 学生時代はアニメの画を描いてたんですか。
黄瀬 アニメというよりはマンガっぽい画を描いてましたね。アニメーションに関わるようになったのは高校の時に、仲間とペーパーアニメみたいなものを作って、そこからですね。自分が描いたものが動いたのを観た時に「面白い」と思って。
―― 高校卒業後はアニメ関連の専門学校に?
黄瀬 えーと、入学だけしました。4日で辞めちゃいましたけど(苦笑)。
―― そうなんですか(苦笑)。
黄瀬 そこは、あまりアニメーションの事を教えてくれなかったんですよ。その頃にアニメアールが大阪にあるという事を雑誌で知って、それでアニメージュ編集部に手紙を出したら、編集長だった尾形(英夫)さんがアールの住所を書いたハガキを下さったんです。
―― 「アニメアールの場所を知りたいです」という手紙を「アニメージュ」に出したんですか。
黄瀬 ええ、そうです。それでアニメアールの場所が分かって、入る事ができたんです。アールは谷口(守泰)さんと村中(博美)さんの二人が主宰していたスタジオで、僕は村中さんに師事したんです。沖浦(啓之)や逢坂浩司君も、ほぼ同時期で入ったんですよ。
―― うわあ、濃いメンバーですね。
黄瀬 今、考えると、かなり濃かったですね(苦笑)。沖浦は歳下だったんですが、彼は最初から巧かったもので、仕事しながら触発され続けました。
―― 初原画は何になるんですか。
黄瀬 『キャプテン翼』かな?
―― 意外なタイトルですね。初作監は?
黄瀬 初作監は『(赤い光弾)ジリオン』です。アイジーの石川(光久)社長とは、その頃からの付き合いですよ。
―― アールには、いつまでいらっしゃったんですか。
黄瀬 アニメアールは、アールとスタジオ・ムーというふたつの組織に分離したんです。その時に僕はムーの方に入って、それで大阪でやっていたのが23歳までですね。18歳から5年間、大阪でやっていました。『(機動警察)パトレイバー』の最初のビデオシリーズまでは大阪でやって、その後『パトレイバー』の劇場をやる事になって、東京に呼び出されて。押井(守)さんとよく仕事をする事になって……それで現在に至る、ですね(笑)。劇場『パトレイバー』以降は、ずっと石川さんのところでお世話になっています。

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 黄瀬さんの記事は、相当に作画マニア向けのマニアックなものになりました。「どうして劇場作品を3コマでやろうと言ったんですか?」「劇場『パトレイバー』の時って、制作現場では高田明美さんのキャラクター設定を使っていたんですか?」なんて質問もありますよ。レイアウトやアニメのリアルについても話題になっています。



●商品情報
「この人に話を聞きたい アニメプロフェッショナルの仕事 1998-2001」
著者:小黒 祐一郎
発行:スタイル
発売:飛鳥新社
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(06.10.19)


 
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