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【編集部】「この人に話を聞きたい」単行本(9)
大地丙太郎さんのインタビューをちょっとだけ紹介


 「この人に話を聞きたい」単行本は、全国の書店で発売中です。是非、お手にとってくださいませ。今日、内容を紹介するのは大地丙太郎さんの取材記事。記事の前半部分から、抜粋してお届けします。
 

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―― 他に、ここ数年でスタンスが変わってきた部分はあります?
大地 一番大きいのは自分の環境ですかね。自分の子供の成長が、かなり大きいですよ。例えば、僕が『赤ずきんチャチャ』をやっていた頃は、娘達が『チャチャ』を観て楽しんでくれていたんです。『チャチャ』の時は無邪気に、コケたら笑ってくれた、ドツいたら笑ってくれたんです。
―― その頃、娘さんはお幾つくらいだったんですか。
大地 小学校低学年ですね。でも、年齢が上がってくると、一筋縄ではいかなくなってくるじゃないですか。そうすると接し方なんかに関しても、今まで父親として手を抜いていたところが、露わになってくるわけですよ。娘と接しているうちに自分の欠点とか、ダメなところがどんどん見えてくるわけですよ。そうなると作品の中で、あんまりスーパーマンみたいなヤツとか、カッコいいヤツが描けなくなってくるんです。
―― そういうものですか。
大地 最近、思うんだけど、僕の作品に出てくるヤツって頭悪いですよね。得意な事はあるけれど、苦手な事は全然ダメで、そのダメな部分が強調される事が多いなあ、と思いますね。それは、段々、自分のダメさ加減が見えてきているからなのかもしれませんね。
―― ……う〜ん。ここで「ああ、なるほど!」と頷くとマズいかな(笑)。
大地 (笑)。いや、大丈夫ですよ。
―― それほどに、娘さんの存在が大きいんですね?
大地 大きいです。ただね、こんな風に言うと偉そうだけど、本当はそんなに接してないですよね(苦笑)。仕事は忙しいし、たまにしか相手をしてないわけですよ。それで親と子供の関係とかを作品で表現するなんて言うのは、おこがましいんですけども。
―― 親と子供といえば『十兵衛ちゃん』ですが。他の人もそうだろうと思いますが、僕は『マサルさん』みたいなアニメだと思ったんですよね。ところが、途中から「あれあれ?」となって、土壇場で「何だ! これは『りりか』じゃないか」と……。
大地 そうですね。完全に『りりか』を基にしてますからね。
―― 基ですか。
大地 完全に意識して、違う角度で見た『りりか』というつもりで作っていたんですよ。だから、人物配置も近いんですよね。ナースキャップもってくるヤツが、眼帯をもってくるヤツになっているとか。『りりか』はシリアスにやっていたけど、それを多少、ギャグで掻き回して作ってみようかなと思ったのが『十兵衛ちゃん』なんですよね。

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 大地さんの記事は、当時の最新作『十兵衛ちゃん ―ラブリー眼帯の秘密―』『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! マサルさん』『世紀末リーダー外伝 たけし!』等を中心にしたものとなっています。突っ込んだ内容になっていますよ。

【編集部】「この人に話を聞きたい」単行本(10) に続く


●商品情報
「この人に話を聞きたい アニメプロフェッショナルの仕事 1998-2001」
著者:小黒 祐一郎
発行:スタイル
発売:飛鳥新社
価格:3000円(税込)
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(06.10.18)


 
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