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「編集長のコラム」 小黒祐一郎

 第9回 アニメフレーム物語(5) スタンダードをシネスコに

 前にも説明した通り、ビスタサイズの映画には、スタンダードサイズの映像をトリミングして、ビスタにするタイプのものがあります。実写だとスタンダードで撮影して、トリミングしてシネスコにした映画もありますね。
 アニメでも「スタンダード → シネスコ」の例があります。「東宝チャンピオンまつり」のプログラムとして公開された『巨人の星』と『アタックNo.1』の総集編です。両タイトルとも、TVシリーズ放映当時に4本の総集編が作られています(余談ですが『巨人の星』の総集編は、これらと別に1982年にも1本、作られています)。

『巨人の星』1969年
『巨人の星 行け行け 飛雄馬』1969年
『巨人の星 大リーグボール』1970年
『巨人の星 宿命の対決』1970年

『アタックNo.1』1970年
『アタックNo.1 涙の回転レシーブ』1970年
『アタックNo.1 涙の世界選手権』1970年
『アタックNo.1 涙の不死鳥』1971年

 上の8本のうち、1969年の『巨人の星』のみがスタンダード。他はスタンダードで作られたTVシリーズの映像を上下カットして、シネスコにしています。そんな大胆な手法が可能だったのは、元の画がトレス線の太いシンプルなものだったからでしょう。
 気になって『巨人の星 大リーグボール』の映像とTVシリーズの映像を見比べた事があるのですが、単にトリミングをしているだけでなく、カットによってはシネスコ用に撮影し直しているところもありました。フレームの問題というよりは、演出的な理由だと思いますが、作画をし直しているカットもありました。
 10数年前に、この『アタックNo.1』の劇場シリーズがTV放映された時、画面の左右が切られていました。つまり、映画化された時に上下がカットされ、それがTV放映でさらに左右がカットされ、映像の中央だけが残ったわけです。やたらとドアップが多く、また、試合のシーンではボールや指先だけが映るようなカットが多く、私は放映当時、そんな事情は知りませんから「変な演出だなあ」と思ってしまいました。ワイドTVが普及した今となっては、ウソみたいな話ですね。

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