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コラム
「編集長のコラム」 小黒祐一郎

 第6回「アニメフレーム物語(2) 2種類のビスタサイズ」

 ビスタサイズに関しても、アニメではふたつのスタイルがあります。つまり、

(A)最初からビスタサイズで映像を制作するスタイル
(B)スタンダードサイズで映像を制作し、上映時にマスキングしてビスタサイズにするスタイル

です。古くは『ルパン三世 カリオストロの城』や劇場『エースをねらえ!』等が(A)。劇場『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL』や、スタジオジブリの劇場作品も(A)です。
 『幻魔大戦』や『さらば宇宙戦艦ヤマト』、あるいは『銀河鉄道999』以降、つい最近までの東映動画(現・東映アニメーション)の劇場作品は(B)です。劇場『ドラえもん』シリーズも最近まで(B)でした。
 (A)の場合は、ビスタのフレームを使い切った構図をとる事ができるというメリットがあります。ただし、ちょっと前まで、この方式ではTV放映、あるいはビデオソフト化の際に左右をカットされる場合がありました。
 (B)の場合は、せっかく作画した画の一部が劇場で観られない、構図が甘くなりがちというデメリットがあります。ただし、TV放映、あるいはビデオソフト化の際に左右をカットする必要もなければ、上下に黒味を入れる必要もありません。
 劇場公開を第一に考えれば(A)のスタイル、TV放映等も考慮に入れれば(B)のスタイルの方がよいという事になりますよね。
 ビスタサイズ初期は(B)のスタイルの方が多く、その後、次第に(A)のスタイルが増え、現在ではほとんどが(A)になっているはずです。それはワイドTV等の普及に伴い、TV放映やソフト化の際に上下に黒味を入れるのが一般化してきた事も関係しているのでしょう。
 (A)のスタイルで制作された最初の作品が、1978年公開の劇場『ルパン三世』(通称『マモー編』)です。この映画の当時の謳い文句は「世界初のアニメビジョン方式」でしたが、これはビスタサイズで作画された最初の作品という意味でもあったようです。

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