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REVIEW 「ノーマン・マクラレン作品コレクション」



 アートアニメーションやショートフィルムのDVD発売が活発化している。とりわけ意欲的に世界のアートアニメーションをリリースしているパイオニアLDCの「ニュー・アニメーション・アニメーション」シリーズについては以前にも報じたが、今回その極めつけとも言うべきタイトルが出た。
 それが「ノーマン・マクラレン作品コレクション」だ。
 ノーマン・マクラレン(1914〜87)はカナダ国立映画制作局(NFB)で活躍した実験アニメーションの第一人者。DVD封入のリーフレットで庵野秀明や片渕須直がオマージュを寄せているように、彼の作品に衝撃を受けたアニメーション作家は数多い。その多彩なテクニックとアイディア、音と映像が一体化したアニメーションは現在の眼から見ても新鮮さを失っていない。
 例えば、彼がまだ学生の時に発明した〈カメラレスアニメーション〉という手法がある。これは紙に描いた絵を撮影するのではなく、フィルム上に直接作画してしまうテクニックだ。35mmの極小サイズに1コマずつ描き込んでいくわけだから、当然ながら絵の精度は粗くなる。2コマ撮り・3コマ撮りなどはもちろん不可能だから、絵のブレが激しいし、画面の安定度も望めない。だが、それだけに映像の躍動感は圧倒的で、生の絵がダイレクトに眼の中に叩き込まれるような快感を呼び起こしてくれる。
 中でも、カメラレスでありながらリミテッドアニメーション的な作画を試みた『線と色の即興詩』は注目だ。厳密には「AABBCC…」ではなく、「A黒B黒C黒…」といった具合に何も映らない黒画面が1コマおきに入るわけだが、マクラレンの動きに対するこだわりがよく表れた作品だ。
 その他、実写の人間をコマ撮りで動かす〈ピクシレーション〉も変わった技法だ。その代表作『隣人』では人間が芝生の上をスケートしたり、空中浮遊したりとありえないアクションを見せてくれる。これもまたコマ撮りによる映像マジックの賜物だ。
 「アニメーションは動く〈絵〉ではなく、絵の〈動き〉なのだ」とは彼の有名なモットーだが、アニメーションの動きを考えるときに、マクラレンの様々な実験は得難いヒントとなるに違いない。
 幸い、今回のDVDにはマクラレン作品のほとんどが網羅されている。一人の実験アニメーション作家がこれだけまとめて見られるのは世界的に見ても恐らく例がない。その意味でも貴重なコレクションと言えるだろう。
 なお、「ニュー・アニメーション・アニメーション」シリーズではマクラレンの弟子や後輩にあたる作家たちの作品集も「NFB傑作選」として発売済だ。アカデミー賞ノミネートで一躍脚光を浴びた山村浩二の作品集も今月23日に発売されたばかりで、しばらくは目が離せない状況が続きそうだ。(G)


●商品データ
「ノーマン・マクラレン作品コレクション」(DVD3枚組)
PIBA-1380
税抜価格:12000円
発売元・販売元:パイオニアLDC(株)

●「ニュー・アニメーション・アニメーション」シリーズ既発売タイトル
「フレデリック・バック作品集」※
「ラウル・セルヴェ作品集」※
「老人と海」※
「上海美術電影作品集 Vol.1&2」
「川本喜八郎作品集」
「久里洋二作品集」
「ユーリ・ノルシュテイン作品集」
「カレル・ゼーマン作品集」
「ロシア・アニメーション傑作選集Vol.1&2」
「NFB傑作選 コ・ホードマン作品集」
「NFB傑作選 イシュ・パテル/キャロライン・リーフ/ジャック・ドゥルーアン作品集」
「ノーマン・マクラレン作品コレクション」
(※パッケージ上では「ニュー・アニメーション・アニメーション」になっていない)

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DVDでリリース開始

●問い合わせ
パイオニアLDCお客様センター
03-5721-9876(月・火・木・金13時〜16時)

●関連サイト
パイオニアLDC
http://www.pldc.co.jp/
「ノーマン・マクラレン作品コレクション」DVD解説ページ
http://db.pldc.co.jp/search/view_data.php?softid=160131
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