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BOOK REVIEW「月岡先生の楽しいアニメ教室」
 月岡貞夫と言えば、最初期の東映動画で活躍したアニメーターである。テレコム・アニメーションフィルムを経て、現在はCMや『みんなのうた』で活躍している事は、WEBアニメスタイルの読者であれば御存知だろう。
 先日、ゆえあって、月岡貞夫の名前をネットで検索してみたところ、「月岡先生の楽しいアニメ教室」というタイトルが引っかかってきた。この3月に出版されたばかりの書籍だという。全6巻、定価各2800円(税別)というボリュームと価格にも驚いたが、版元が偕成社というのにはもっと驚いた。偕成社と言えば、児童書で著名な出版社である。月岡さんが、小中学生向けのアニメーション入門書を書いたらしい。
 興味をもって現物を取り寄せてみたところ、さらにびっくり。児童書でありながら、かなりマニアックな作りだったのだ。例えば、第6巻「CMアニメはこうして作る」の目次を見ると、「1・オリエンテーション」「2・コンセプト会議」「3・フックのあるアイディアを出す」……と、クライアントとの交渉から完成まで、CMアニメの流れがひととおり押さえてある。巻構成も、アニメーションの仕組みから始まって、パソコンでのアニメの発表の仕方まで、かなり具体的な内容にまで踏み込んでいる。
 月岡さんの手になる図版も多数掲載され、見ているだけで楽しくなる作りなのも嬉しい(富士通のCMでお馴染みだった、タッチおじさんのキャラクターも登場している)。今のアニメの現場ですぐに役立つほど実践的な内容ではないが、豊富な図版とやさしい説明で、アニメーションを作る楽しさは存分に伝わってくる。また、偕成社のホームページでは、このシリーズと連動した企画も展開しており、本に出てくるアニメーションの実際に動くところが見られるようになっているのも面白い。
 おそらく学校教育にアニメーションが取り入れられようとしている昨今の流れに合わせた企画なのだろう。その意味でも、ちょっと興味深い本だと思う。(小川びい)

●月岡貞夫作・絵「月岡先生の楽しいアニメ教室」全6巻 定価各2800円(税別)
 ・第1巻 アニメで遊ぼう
 ・第2巻 原画はこうして描こう
 ・第3巻 人の動きを観察しよう
 ・第4巻 イヌやネコに教えてもらおう
 ・第5巻 パソコンで発表しよう
 ・第6巻 CMアニメはこうして作る

●関連サイト
偕成社キッズパーク
http://www.kaiseisha.co.jp/
月岡先生の楽しいアニメ教室(偕成社キッズパーク内)
http://www.kaiseisha.co.jp/animation/frame.html
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