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『メトロポリス』が遂に完成
映像の魔術師りんたろう、本領発揮

 『メトロポリス』は、手塚治虫が1949年に発表した同名SF漫画を原作に、りんたろうとマッド・ハウスが5年の歳月をかけて完成させた劇場長編アニメーションである。ようやく『攻殻機動隊』が古いアニメになった、これが映画『メトロポリス』を、試写で観た時の私の感想だ。「アニメスタイル」2号の記事中でも触れたが、残念な事にSFアニメとして『攻殻機動隊』を越えるビジュアルの作品は、その後、出現していなかった。『メトロポリス』は、少なくとも画面の作り込みに関しては、『攻殻機動隊』のレベルを軽々と乗り越えた。
 『メトロポリス』の映像の魅力を支えているのは、りんたろう監督の映像センスであり、デジタル技術とアナログアニメの融合だ。3DCGで作られた高層ビルの細密描写、超ロングショットのモブシーン(大勢のキャラクターそれぞれが芝居をしている!)、印象的な色使いの美術等々。映像の密度の高さはケタ外れだ。特に、冒頭の10分程のビジュアルの充実ぶりは、感動的ですらある。
 手塚漫画のテイストを活かす事に関しても、かなり成功している。キャラクターデザイン・総作画監督の名倉靖博は、初期の手塚漫画の柔らかい描線を見事に再現。手塚漫画の人気キャラクターのロックが副主人公的な立場で登場するが、彼の魅力を存分に引き出すドラマが用意されている。
 ドラマや演出は、原作のレトロなテイストを重視しており、まるでモノクロ時代 の劇映画のようだ。展開はゆったりとしており、ドラマも淡々としている。50年前に 描かれた近未来の都市を舞台にした物語を、最先端の技術を使い、レトロ感たっぷり にアニメ化したというわけだ。その意味においてもマニアックな映画である。
 作画に関しては、ふんだんに枚数を使ったフルアニメ的な作品である。日本的なリミテッドアニメ手法を確立させ発展させてきた、りん監督とマッド・ハウスが、手塚治虫の漫画をフルアニメ的な作品として制作した事は、アニメ史的に非常に興味深い事だ。(文・小黒)

※2001年6月より全国東宝洋画系ロードショー

●『メトロポリス』公式サイト
http://www.metropolis-movie.com

●メインスタッフ
原作/手塚治虫(角川文庫・刊)
脚本/大友克洋
監督/りんたろう
キャラクターデザイン・総作画監督/名倉靖博
作画監督/赤堀重雄、桜井邦彦、藤田しげる
美術監督・CGアートディレクター/平田秀一
CGテクニカルディレクター/前田庸生
音楽/本多俊之
音響監督/三間雅文
プロデューサー/丸山正雄、八巻磐

出演/ティマ:井元由香、ケンイチ:小林桂、ロック:岡田浩暉、ペロ:若本規夫、ロートン博士:滝口順平、ブーン大統領:池田勝、リヨン市長:土師孝也、スカンク:古川登志夫、ランプ:千葉繁、ハム・エッグ:江原正士、ポンコッツ:青野武、ノタアリン:八代駿、アトラス:井上倫宏、ヒゲオヤジ:富田耕生、レッド公:石田太郎

主題歌/“THERE'LL NEVER BE GOOD-BYE〜THE THEME OF
METROPOLIS”ミナコ“ムーキー”オバタ
挿入歌/“I CAN'T STOP LOVING YOU” レイ・チャールズ
挿入歌/“ST.JAMES INFIRMARY” 木村充揮

アニメーション制作/マッドハウス
企画協力/手塚プロダクション
製作/METROPOLIS製作委員会、バンダイビジュアル、東宝、ソニー・ピクチャーズ テレビジョン・ジャパン、電通、角川書店、手塚プロダクション、IMAGICA、キングレコード
配給/東宝

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