「アニメ塾」とは、テレコム・アニメーションフィルムとトムス・エンタテインメントが共同で進めている、インターネットを利用したアニメーター養成のプロジェクトだ。
　使われる課題は、社内教育で使用されているのと同じ原動画。受講者はホームページから課題の原画をダウンロードし、その原画のクリンナップと中割り、つまり、動画マンとしての作業を行う。作業を終えた課題をメールで提出すると、数日でそれが添削されて「アニメ塾」から返される。これを繰り返して、腕を磨いていくというわけだ。
　作画作業は、パソコンとタブレットを使って行う。使用するソフトは「ＰｅｎｃｉｌＭａｎＳｃｈｏｏｌ」。これは、ペーパーレスで作画を行うソフトウェア「ＰｅｎｃｉｌＭａｎ」をベースにした、「アニメ塾」のためのオリジナルソフトで、受講生に無料で貸与される。「ＰｅｎｃｉｌＭａｎ Ｓｃｈｏｏｌ」を使って、自分が描いた動画や、添削で返された動画の正解を、実際にパソコン画面上で動かして見る事もできる。
「アニメ塾」の画期的な点は、アニメ製作会社が直接運営し、現役のアニメーターが添削を行うという事。そして、インターネットを使ったシステムであるため、地方在住者や、学生、あるいは別の職業に就いている人でも、自由に参加できるという事だ。受講料も比較的安価で、インターネット環境と、タブレット等の機材さえ揃っていれば、１コース（１年間）を５５０００円で受講できる。
　現在のアニメーション業界では、アニメーターとして制作会社や作画スタジオに就職した人が、そのまま業界に残る割合が低いのだそうだ。その理由のひとつに、基礎力の不足が挙げられる。「アニメ塾」を受講すれば、アニメーター志望者が、業界に足を踏み入れる前に、ある程度、実践的な作画技術を身につける事ができる。
　また、「アニメ塾」は、すでにプロとして活動しているアニメーターや、３ＤＣＧによるアニメーションを手がけているクリエイターも対象にしている。プロのアニメーターも、これを受講する事で自分の実力を知る事ができ、もし、欠点があった場合は添削結果によって、どこを直せばいいかがはっきりと分かる。あるいは３ＤＣＧクリエイターが、２Ｄアニメーションならではの動きを学ぶ事もできるのだ。

●「アニメ塾に」関して詳しい事は、こちらで。
テレコム・アニメーションのアニメ塾
http://www.telecom-anime.com/animejuku/system/ajsystem_top.html
テレコム・アニメーションフィルム
http://www.telecom-anime.com/telecom/index.html
●「ＰｅｎｃｉｌＭａｎ」の株式会社セルシスのホームページはこちら。
「ＰｅｎｃｉｌＭａｎ」の情報は「ＲＥＴＡＳ！ＰＲＯ」のコーナーに。
http://www.celsys.co.jp/