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新春放談 大地丙太郎×小黒祐一郎
 その1 酒と年齢とエロ解禁?

 昨年末に『レジェンズ 甦る竜王伝説』や『おじゃる丸』でお馴染みの大地丙太郎監督と対談をしてきました! 特にテーマは決めずに、色んな事を話して来ましたよ。お酒を飲みながらの放談会。場所は大地さんのお洒落な仕事場、TAHITI STUDIOです。

●2004年12月25日
対談場所/TAHITI STUDIO
構成/小黒祐一郎
撮影/馬場京子
PROFILE

【大地丙太郎プロフィール】
アニメーション監督。1956年1月13日生まれ。群馬県出身。代表作は『ナースエンジェル りりかSOS』『こどものおもちゃ』『おじゃる丸』『十兵衛ちゃん』『アニメーション制作進行 くろみちゃん』等、多数。現在は『レジェンズ 甦る竜王伝説』が放映中。HP「大地丙太郎Web」(http://www5c.biglobe.ne.jp/~akitaroh/)も要チェック。

【小黒祐一郎プロフィール】
アニメ雑誌編集者。1964年5月1日生まれ。埼玉県出身。「WEBアニメスタイル」編集長で、ニックネームはアニメ様。現在は「アニメージュ」(徳間書店)で「この人に話を聞きたい」を連載中。小黒の雑記帳は、スタジオ雄HP[http://www.styou.co.jp/]に。

小黒 最近、大地さんを見ていると、やる気満々で羨ましいと思いますよ。
大地 はぁい! 俺、いっつもやる気満々です(笑)。
小黒 今のシリーズ抱えつつ、次の企画やってるだけならまだしも、舞台のお芝居もやろうとしてるじゃないですか。
大地 多分、それは性分なんだよね。『レジェンズ(甦る竜王伝説)』が相当重い仕事だったから、今年(2004)の8月にテコ入れ合宿会議みたいのをやった時は、もう最高潮に仕事が嫌だった(笑)。
小黒 「テコ入れ」なんて、記事に載せちゃ駄目でしょ。
大地 「テコ入れ」なんてのは、どこの作品でもやってる事でしょ。
小黒 まあそうですね(笑)。じゃあ、今日はフランクにいきましょう。
大地 大丈夫です。俺にNGワードはないので(笑)。っていうかさ「テコ入れ」って俺としては謙遜な言い方だったりして。実際は「テコ入れ」っていうより、シリーズ半分まで来たんで、もう一度最初にやりたかったテーマを思い起こして後半のストーリー作りをやろうっていう合宿をやったわけなんだけど、元々得意分野の世界ではないからさ『レジェンズ』は。その頃は苦しくて苦しくて。自分の世界をどう、こういうモンスター物に取り入れて行けばいいんだ? っていう悩みで一杯だったから辛かったわけ。それでその頃ね、本当に「もうアニメは嫌だ」と思ってて、とにかく『レジェンズ』が終わったら休もうと思っていた。来年は『おじゃる』だけであとはやんないぞ、という意気込みで……やんない意気込みってなんだよ! で、暇ができるんだったら、舞台をやろうかなあと思って。前から片岡(義朗)さんに「やんない?」とか言われていたから。
小黒 ああ、プロデューサーの片岡さんが言い出したんですか。
大地 うん。片岡さんとは今までも何度か同じ作品に関わってきたんだけど、がっぷりと組んでやったのは今回の『レジェンズ』が初めてだったんだよね。片岡さんとの信頼関係が生まれてきた頃に、「舞台やりませんか、絶対いいですよ」と言われて。その時に、俺の興味もそっちに寄っていたので、「やりたい!」という気持ちがほとばしったのね。
小黒 ええっと、ここで若い読者に説明すると……。
大地 ああ、説明してくれるんだ(笑)。
小黒 片岡さんっていうのは、色々なアニメを当てた大物プロデューサーで、僕らの世代だと「アニメトピア」ってラジオ番組のハゲラってニックネームで有名なんです。
大地 業界ではちょっと濃い。
小黒 相当に濃いんじゃないですか。
大地 濃いです。ま、エロオヤジなんで(笑)。
小黒 いくらなんでも、それはNGワードなのでは。
大地 あ、そうか。エロプロデューサーなんで……それじゃあ、同じか! っていうか、もっと悪いか!
小黒 新春放談らしくなってきましたね(笑)。
大地 最近は俺もエロオヤジ組突入しとるしね。似たような感じになってきたんで、意見も合うんだよ。女の子の好みも合うみたいなところがあって、取り合いしたりとか。何だそれ(笑)、んなコトするか!
小黒 うわあ、大地さん、テンション高いっスね(笑)。その舞台って、大地さんは演出をするんですか。
大地 演出、です。
小黒 自分は出ないんですね。
大地 ええーと、それはまだ保留です(苦笑)。
小黒 出る気満々だろうと思ってたんだけど。
大地 片岡さんは「出ろ」って言うんだけど、舞台の演出をするのが初めてだから、出た方がいいのかどうかがまだ分からない。今、劇団と一緒に稽古をしてるんだけど、段々馴染んでくると、「出てみてえー」という気持ちになってくるんだよね。
小黒 大地さんはアニメを作りながら、次のアニメの準備もしながら、舞台やりながら、漫画まで描いているという事ですね。
大地 そうですね。漫画は「ダンゴゴン太」。
小黒 またまた読者に説明すると、「ダンゴゴン太」というのは、大地さんが小学生の時から描いている漫画で、これも単行本化を目指してるわけですね。
大地 目指してます。あと5、6本描けばまとまるんだよね。最近、分かってきたんだけど、このテーブルに、いつもやりかけの仕事とか読みかけの本とかを広げとくんですよ。いつもテーブルの上がいっぱいなのね。単純に気が多いだけなんだよね。それで、色んな事をやりたいと思って、興奮してるんですよ。変な喩えになっちゃうけど、煙草吸うのもカッコいいなあと思うし、禁煙するのもカッコいいなあと思う。両方やってみたいというか。
小黒 大地さん今いくつでしたっけ。
大地 48。
小黒 元気いっぱいだなあ。凄いなあ。
大地 あと、ひと月で49だよ(笑)。
小黒 俺は今年(2004)、40になりましたよ。
大地 あ、若いなあ(笑)。
小黒 若い? 若いですか。
大地 俺、40歳の誕生日が『りりか』をやってる最中で、麻生かほ里とか、フッちゃん(渕崎ゆり子)とかが誕生パーティやってくれたのを憶えてる。その時に「40越えたから、エロ解禁」とか言って(笑)。解禁されなかったけどね。
小黒 言っただけで。
大地 「もう大丈夫でしょう。これからスケベ道を行きましょう」とか言っていたのに、しばらくならなかったですね。
小黒 最近なったんですか。
大地 最近なってきた。片岡さん達とつき合うようになってから(笑)。
小黒 すいません。立ち入った事を訊きますけれど、それは日常生活でエロが解禁になったんですか?
大地 モトモト男はみんなエロよ。あ、女もか。あ、でも悪い事はしてないよ(笑)。
小黒 (笑)。ああ、じゃあ、仕事のモードとしてエロが入ってきた?
大地 真面目一方だったんだけど、ちょっと余裕ができてきたんでしょうね。これから先は、色っぽい表現もやってみてもいいんじゃないかな、なんて。今まで全然やってないじゃないですか。
小黒 そうですよね。今まで自分の企画で作られた物も、大筋としては潔癖なものですよね。
大地 そうそう、基本的に潔癖なんだよね。そういう風に気が散ってる感じで、すぐに色っぽいものができるかどうか分かんないけど。やるとしても、基本的には子供もファミリーも見られるぐらいの範囲の中でやりたい。完全に大人向けのものって作りたくないんで。
小黒 それは大地さんの中での節度なんですかね。
大地 節度なのかなあ。そろそろ50歳を目前にしているんだけど、あと何年できるかなというのを2、3年前から考えているんだ。どのくらい現役で仕事できるのかなあと思うと、1個1個の仕事が貴重なものに思えてくる。今年1年やってた『レジェンズ』は、あんまり思ったとおりできてないと思ってるんで、自分の仕事としては満足はしてないんです。だけど、ひと月くらい前から急に視聴率が上がってきたりとか、楽しみにしてるという声が耳に入るようになってきた。やっと3クール目ぐらいから、面白いと思われ始めた。そういうのもあるんだろうなあと思ったんです。地上波で1年やる仕事ってきついけど、これは重要だ。それから、やっぱり地上波は凄いなと思ったんですよ。自分の企画で何かをやりたい時に、どうしても成立しやすい深夜とかCSに行っちゃうじゃないですか。だけど、やっぱり自分がやりたいところは、そこじゃなかった。家族で見てほしいと思ってたんだよなあと気がついて、そこに戻るつもりでいるというのが、今の心境ですね。
小黒 年齢の話が出ましたけれど、僕もよく指折り数えるんですよ。20歳から60歳まで働くとすると、「ヤバイ、もう半分きちゃった」と思う。だけど、今、60歳を過ぎてバリバリと働いてる人達を見ると、「あれ、もっといけるな」って。
大地 そうなんだよね。頑張ってる先輩がいるって、やっぱり力になるよね。
小黒 出崎統さんや富野由悠季さん、宮崎駿さん達は、60歳過ぎても映画を作っているわけでしょ。
大地 凄いよね。片岡さんも来年60歳になるということだけど、物凄く忙しく仕事しているからね。俺が今一番気にしてるのが50歳で、それは俺の尊敬する近衛十四郎がTVシリーズの「(素浪人)月影兵庫」で抜擢された年齢なんですよ。「忍者狩り」とか「柳生武芸帳」とか、俺に多大に影響した映画に出ていたのも同じ頃なんですよ。その時に物凄い切れのいいチャンバラをやってたわけじゃないですか。
小黒 なるほど。
大地 そこから10年位は大活躍したわけですよ。俺は50になる事が怖かったんだけど、その年齢で人の人生を変えるくらいの仕事をした人がいるわけだから、自分も50歳で何かやんなくちゃっていう気持ちがあったりするんです。あと、大塚康生さんが、50で『カリオストロ(の城)』ですよ。
小黒 それは凄いパワーだなあ。
大地 だから、50はいけるぞと思えるよね。
小黒 しかも、今の50歳は、昔の50歳と違いますもんね。
大地 違いますね。昔の50と言ったらイメージとしては、お爺さんだったものね。
小黒 今は、定年を70にしてもいいくらいですよ。
大地 うん。『十兵衛ちゃん2(―シベリア柳生の逆襲―)』に出てもらった目黒祐樹さんが今、58歳ぐらいなんですよ。全然、若いものね。そういう人がいると、もの凄く勇気が出てくる。この間、会った77歳の久里洋二先生とか。
小黒 へえ、77歳なんだ。
大地 77歳ですよ。多少、流石にお年を召した感じだけど、でも、普通の77じゃないなって思った。お茶目だしね。50歳へのカウントダウンは頭の中にあるんだけど、あと10年は頑張るぞと。
小黒 いやいや、20年は頑張ってください。
大地 そこから先を気張ってやるためには、何か発奮する物が必要なんだろうなと思っているけどね。取りあえず、見た目が10歳ぐらい若く見えちゃうようにしよう、それにはまずエロか!(笑)

●新春放談 大地丙太郎×小黒祐一郎 その2へ続く

(05.01.21)
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