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アメリカのアニメイベントが逆輸入
 「アニメエキスポ東京」レポート

 1月16日(金)〜18日(日)の3日間、東京池袋のサンシャインシティコンベンションセンター東京で「アニメエキスポ東京」が開催された。
 「ANIME EXPO(AX)」は、アメリカの日本アニメファンが米国西海岸地域で開催している人気イベントで、1993年以来、毎年行われている。本国では4日間の会期中に7万人もの参加者が集まるビッグイベントだ。それを日本に逆輸入した今回の「アニメエキスポ東京」も、やはり海外からの参加者が多く、講演やパネルディスカッションには英語通訳が付くという形式であった。外国人コスプレイヤーも目立ち、会場を賑わせていた。
  プログラム構成は、ゲスト講演、パネルディスカッションから、コスプレコンテストやアニソンカラオケ大会、「コスプレの作り方」ワークショップといったファン主体企画。ラジオ番組公開録音や、サイン会、ステージライブといった、ファンサービス企画。そしてビデオ上映、企業ブースも有り。硬軟織り交ぜた多様な構成になったのは、アメリカ本国でのイベントのコンセプトを持ってきているためなのだろう。
  以下、本誌記者が印象的だった企画を紹介する。まず、初日の氷川竜介をゲストに迎えた講演「OVAの歴史を検証する」。『ダロス』から『青の6号』まで、OVAの歴史を彩った作品の映像を上映しながら、アクション演出や作画の変遷、OVAとTVの相関関係、日本アニメの特殊な進化の形態、といったテーマをOVAの歴史の流れのなかで解説。
  二日目には、STUDIO4℃のパネルディスカッションがあり、海外からの取材記者も多数参加していた。『MIND GAME』プロモーションでは、湯浅政明監督が登場し、テーマや見所を解説。2月末発売予定の新作『土方歳三 白の軌跡』のプレゼンでは、映像上映の他、志道塾による殺陣の実演が行われ、外国人参加者へのアピールも忘れない。4月放送予定、4℃初のTVシリーズ『魔法少女隊 リトルウィッチーズ』のプロモーション映像も上映された。
  最終日には、『鋼の錬金術師』ステージや、『プラネテス』パネルディスカッション、『APPLESEED』の最新映像上映等が観客を集めていた。『プラネテス』のプログラムは監督の谷口悟郎、脚本の大河内一楼、そして設定考証の小倉信也の3人が、ファンの質問に答えるQ&A形式。「リアルに徹するとはいえ、ドラマを作る上で承知でウソをつかざるを得ない部分」や、「番組ラストの静止画に込められた意味」といった興味深い話題が飛び出した。プログラム終了後には、3人がファンに囲まれて和やかに歓談する光景もあり、また劇中に登場するデブリ回収船「Toy Box」の精密な模型が持ち込まれ、人だかりができていた。
  パネル企画のトリを飾ったProduction I.Gのパネルディスカッションは、途中から立ち見がでるほどの盛況ぶり。石川光久社長を中心に、『DEAD LEAVES』の今石洋之監督と、企画・原作の今井トゥーンズ、『イノセンス』からは作画監督の西尾鉄也が出席した(もう1人のゲストとして予定されていた沖浦啓之は、鋭意作画作業中のため残念ながら欠席)。本誌編集長・小黒祐一郎が司会を務め、最新映像の上映あり、濃厚なトークありと、充実の内容であった。石川社長から「『イノセンス』のオープニング・シークエンスには、ある秘密が隠されている! 10回観れば、色々なことがわかる(かもしれない)!」といった話が飛び出し、会場を沸かせていた。また、プロモーション映像として公開されているコンビニシーンの3DCGの質感やタイミングには、ある秘密があるという話題も。それも本編を観れば分かるそうだ。
  日本では初開催という事もあってか、参加者の数は決して多くはなく、盛況と言えるものではなかったが、日米アニメファンの、あるいはファンとクリエイターの貴重な交流の場となりえるイベントだ。今後の展開に期待していきたい。本家のアニメエキスポ2004は、今年7月にカリフォルニア州アナハイムでの開催が予定されているそうだ。
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