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　編集・著作：スタジオ雄
　協力：スタジオジブリ
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■今年も盛況！　東京国際アニメフェア2003

　東京国際アニメフェア2003が、３月19日～22日の４日間、東京ビッグサイトにて開かれた。今年が２回目となるこのイベントは、東京都を中心にアニメ制作会社等が集まった実行委員会が主催するもの。アニメ産業を都の地場産業と位置づけ、商取引の活発化や海外へのセールス等を目的として開かれるもので、見本市とコンペティション、シンポジウム等のイベントの３つから成り立っている。ここでは19日のビジネスデーの模様とコンペティション「東京アニメアワード」を中心にレポートしよう。
　今回、見本市に併設された特別企画は「アニメテクニックの世界展」。これは、絵巻物から始まり、写し絵や驚き盤、人形アニメ、そしてセルアニメまで、アニメの技法の歴史を辿りながら、最新のデジタルアニメの製作過程までを眺望しようという企画である。参加制作会社の各種資料もあれこれと展示され、見ていて飽きない。
　メインとなる見本市には、制作会社はもちろん、ＴＶ局から広告代理店、ゲーム会社などが参加、韓国を中心とした海外からの出展者も多かった。初日から、海外からのディストリビューターも来訪し、いくつかのブースでは商談が進められる風景も見られた。アジア・世界との交流・発信という点で、これは狙いどおり、というところだろう。
　出展ブースでしか見られない各社秘蔵のパイロットも見本市の見どころのひとつだ。中でも目を引いたのが、ボンズが制作した『無皇刃譚』と題する作品。わずか１分強の長さの「時代活劇アニメーション」だが、その卓越したアニメートとシビれるようなアクションシーンの連続に魅了された。安藤真裕の作画・演出だという。
　また、財団法人デジタルコンテンツ協会は、新作パイロットフィルム『不思議世界アタゴオル』を披露。ますむらひろしの世界を３ＤＣＧを駆使して表現した作品だが、高密度レイアウトにうならされる。このパイロットは『少女革命ウテナ』等で活躍するコンテマン、橋本カツヨの監督作品だそうだ。いずれも作品として公開される事を期待したい。
　「東京アニメアワード」は、一昨年12月から昨年11月までに国内で公開された作品の中から、有識者181名によって受賞作が選ばれる、ノミネート部門と、内外を問わず応募してきた作品の中から選ばれる公募作品部門に分かれて表彰される。中では、ノミネート部門で、最優秀作品賞に『花田少年史』が、監督賞に原恵一が選ばれた事が目を引いた。いずれも昨年の堅実な仕事ぶりが評価されての事と思われる。『花田』にしろ、原の『映画　クレヨンしんちゃん　嵐を呼ぶアッパレ！戦国大合戦』にしろ、華やかなアニメ作品の中では逆に評価されにくい作品だけに、素直に受賞を喜びたい。
　また、公募部門で、『Ｓａｙ　ｍｙ　ｎａｍｅ』『Ｄｏｇｇｙ　Ｐｏｏ』『Ｓｔａｒｌｉｇｈｔ　Ｃａｂｉｎ』など、韓国からの応募・受賞が目立ったのも今回の特徴だろう。
　全体に昨年に比べて動員もよく、地に足のついたイベントとなってきているように思われた。来年以降もイベントとして形が整い定着していく事を期待したい。

●関連サイト
東京国際アニメフェア2003公式ホームページ
http://www.taf.metro.tokyo.jp/index_ok.html

●東京アニメアワード受賞作一覧
【ノミネート作品】
テレビ部門
　最優秀作品賞『花田少年史』
　　優秀作品賞『犬夜叉』『オーバーマン　キングゲイナー』
劇場部門
　最優秀作品賞『千年女優』
　　優秀作品賞『猫の恩返し』『映画　クレヨンしんちゃん　嵐を呼ぶアッパレ！戦国大合戦』
オリジナルビデオ部門
　最優秀作品賞『戦闘妖精雪風』
　　優秀作品賞『ルパン三世　生きていた魔術師』『ジョジョの奇妙な冒険』
海外劇場部門
　最優秀作品賞『モンスターズ・インク』
　　優秀作品賞『アトランティス　失われた帝国』『アイスエイジ』
個人賞部門
　監督賞／原恵一
　美術賞／池信孝
　声優賞／山口勝平
　脚本賞／大河内一楼
　キャラクターデザイン賞／藤島康介
　音楽賞／菅野よう子

【公募作品】
アニメ作品部門
　優秀作品賞『小川のメダカ』『攻殻機動隊　ＳＴＡＮＤＡＬＯＮＥ　ＣＯＭＰＬＥＸ』『水のコトバ』
学生部門
　優秀作品賞『Ｓａｙ　ｍｙ　ｎａｍｅ』
　　　奨励賞『しももも』
インタラクティブ部門
　該当作品なし
パイロット部門
　優秀作品賞『Ｄｏｇｇｙ　Ｐｏｏ』
特別部門
　表現技術賞『雲のむこう、約束の場所』
　新人賞『風雲猫忍録』
　@NetHome賞『Ｓｔａｒｌｉｇｈｔ　Ｃａｂｉｎ』
　サッポロビール賞『スキージャンプ・ラージヒル・ペア』
　東京ビッグサイト賞『コアジサシ飛行倶楽部』

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