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インディーズアニメ

 今週の更新で「永沢詢インタビュー」が最終回。永沢さんが、東映から離れた後に手がけた『おそ松くん』『ファイトだ!! ピュー太』『殺生石』「キリンものしりシリーズ」等の話題となります。『ピュー太』のあのOPについても触れています。それと「東池袋アニメ積読録」「週刊ユアサ」です。
 次回のアニメスタイルイベントが決まりました。日時は12月12日、場所はお馴染みロフトプラスワン。タイトルは「年忘れいろんなアニメを観ちゃおう大会+α(仮)」です。詳細は、また近々に。それと11月4日から、NHK教育テレビで『未来少年コナン』の再放映が始まりますね(毎週木曜日19時25分〜)。何度も同じような事を言っているような気がしますけど、TVアニメ史に残る傑作です。未見の方は是非、この機会に。

 さて、ここからが本題。「スーパーインディーズ映画祭2004 ネクストアニメ1&2」は無事、終了しました。個人で活動している作家と、プロのクリエイターが一堂に会して、作品の上映とトークをするという企画だったのですが、なかなか興味深い内容で、僕も勉強になりました。
 以下が、出演していただいた、田澤潮さんの「GOD DOG PRODUCTION」、村上浩さんの「夢幻PICTURES」のWEBサイトです。いずれも上映した作品(の一部)を観ることができます(同じく出演していただいた、布山タルトさんとあかね丸さんはWEBサイトを持ってないそうです。残念)。

GOD DOG PRODUCTION
[ http://www.goddog-pro.com/ ]

夢幻PICTURES
[ http://www13.plala.or.jp/mugenpictures/ ]

 ここ数年で、イベントやWEB等で、個人ベースで作られたアニメーションを観る機会が増えたんですよね。個人でアニメーションを作る人の数は明らかに増えている。中には、田澤さんの『LIFE NO COLOR』『3MEN』や、村上さんの『元祖マジックサーカス』のような、プロ顔負けの仕上がりのものも少なくない。それがちょっと気になっていました。
 で、今回のイベントで改めて作品を観たり、話を聞いたりして、ちょっとだけ状況が分かった。僕が思っている以上に、プロのクリエイターと、個人で活動しているアニメ作家の距離は近づいていたんですよ。で、その境界が曖昧になっている。
 個人作家が作る作品のクオリティは、飛躍的にアップしました。特に3DCG作品は、相当見応えのあるものが作られています。これはアニメーション制作全体がデジタル化された事の恩恵が大きい。実際、プロの作品と個人作家の作品を、続けて上映しても、ほとんど違和感はありませんでした。
 1人1人の作家の動きとしては、プロの仕事をしながら、その一方で自分の作品を制作している人や、ブロダクションでプロの仕事を経験した後に独立して、自分の活動を始める人もいるんですね。今回のイベントとは直接関係ありませんが、「みんなのうた」で『月のワルツ』という作品があり、その出来のよさが評判になっています。その監督を務めたのが、マッドハウスに今年の春に入社した、いしづかあつこさん。大手制作会社のスタッフが、そういった活動をするのも、今時風と言えるのかもしれません。
 そして、発表の場も増えた。WEBでムービーを流す事もできるし、自分で容易くDVDにして販売する事もできる。
 若い個人作家の作品が、大手のビデオメーカーからDVDがリリースされた例としては、新海誠さんの『ほしのこえ』、ロマのフ比嘉さんの『URDA』、真島理一郎さんの『スキージャンプ・ペア』等の例がありますが(もちろん、ベテランのアニメーション作家の作品や、プチプチアニメ等もDVD化されていますが、それはまた別の話)、話を聞くと、今後、そういったケースが増えていくようなんです。個人で企画・制作をして、メーカー経由で作品をリリースする、そんな新しいタイプのアニメ作家が大勢生まれるのかもしれない。
 ビデオメーカーから作品がリリースされるようになれば、個人ベースで作られたものでも、それは商業作品になり、作り手はプロの個人作家になる。今までプロと呼ばれていた人と個人作家の差は、プロダクションを拠点にして集団で作るか、個人ベースで作るか、だけになるのかもしれません。そうなった時に、個人作家がどんなふうに、プロダクションで作られるプロの作品との差を出していくのかが楽しみでもあります。

(2004/10/28)


更新情報(04/10/29・第149回)

東映長編研究 第8回
永沢詢インタビュー(6)

湯浅政明の「週刊ユアサ」(第42回)

東池袋アニメ積読録 小川びい
第16回
「長月はアニメ雑誌について考える日々」



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