『スカイ・クロラ』は、劇場アニメとしては高い年齢層をターゲットにした作品が続いた押井監督が、若者に向けて作ると宣言し、話題となった作品だ。だれもが接しやすいつくりだが、押井監督ならではのマニアックさも健在。勿論、演出的な見どころも多い。入念に設計された空間。驚くほど少ないカット割り。それによって生み出される映画的な時間。あるいは、つい深読みをしたくなる描写、等々。この作品では、戦闘機の空戦シーンを、押井監督ではなく、メカニックデザイナーである竹内敦志が絵コンテを執筆。その部分は、ビジュアル的にも非常に見応えのあるものとなっている。
 巻末には、押井監督への3万文字インタビューを掲載。『スカイ・クロラ』のメイキングについて、絵コンテについて、アニメの未来について、演出について、映画の本質について、押井監督が語り尽くす。記事タイトルは「押井守のアニメスタイル2.0」だ。

「スカイ・クロラ The Sky Crawlers
絵コンテ 押井守」

著者 押井守
編者 アニメスタイル編集部
発行/株式会社スタイル
発売/株式会社飛鳥新社
判型/A5判
頁数/408頁
価格/2940円(税込)
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