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EVENT

第27回「年忘れ!いろんなアニメを観ちゃおう大会」





日時■2006年12月18日(日) 16時半〜
会場■LOFT/PLUS ONE
出演■羽山賢二、伊平崇耶、今石洋之、片渕須直、水島精二、佐藤竜雄、三原三千夫、吉松孝博、小黒祐一郎
司会アシスタント■とろ美

■上映作品
『鴉-KARAS-』1話「鴉開眼」
CM「キリンレモン77」 SEVEN SEVENS 登場 篇
CM「キリンレモンブラック」 モンスターブラックス 逆襲 篇
短編アニメ『OVAL×OVER』1話
ゲーム「半熟英雄4 7人の半熟英雄」オープニング
ゲーム「武蔵伝II ブレイドマスター」オープニング
「FLUXIMATION」全14本
「GENIUS-PARTY」パイロット
『大空魔竜 ガイキング』44話「壮烈!地球大決戦」
『サイボーグ009』(1968年版)16話「太平洋の亡霊」
『NEMO』パイロット1984年版
『NEMO』パイロット1987年版
『2005年宇宙の旅』(自主製作作品)
『増田こうすけ劇場 ギャグ マンガ 日和』第12話「名探偵っスか!うさみちゃん」「名探偵だもの!うさみちゃん」/第8話「どっこいおむすび君」「光速ライダー マッハ涼」
『練馬大根ブラザーズ』予告

 今回のイベントは、年末恒例となった「いろんなアニメを観ちゃおう大会」。特にテーマを決めず、文字どおり色々なタイプのアニメを上映する企画だ。30分近い作品が3本に、短編が多数とバラエティ溢れるプログラム。今年に発表された作品が多いのが、今までの「いろんなアニメを観ちゃおう大会」との違いだ。
 またも満員となった会場に来場した関係者の方々も驚く中、まずは第1部スタート。注目のOVA『鴉-KARAS-』1話を丸々上映した。OVAならではのマニアックな雰囲気と、凝りに凝った映像が場内を沸かせた。上映後、総作画監督の羽山賢二、プロデューサーの伊平崇耶を交え、制作裏話を少しばかりうかがう。伊平プロデューサーとさとうけいいち監督との雑談中の落書きから始まったという本作だが、2Dと3Dの緻密な融合やハイビジョン対応など、次第にプロジェクトが大事になってしまったという。質問コーナーでは観客として来場していた某制作会社のプロデューサーから、「作画後のスケジュールはどのくらいなのか、2Dと3Dがスムーズに融合しているが作業はどうやっているのか」との鋭い問いが。「アクション監督の橋本(敬史)さんのチェックに大きく負っている」「撮影からは2ヶ月くれと言われている」など、かなり突っ込んだやりとりが行われた。
 続く第2部では今石洋之がゲストで登壇。プロダクションI.G制作の短編「キリンレモン77」シリーズと『OVAL×OVER』1話をまず上映。続いて、金田伊功が参加した2本のゲームのオープニングムービーが流された。「半熟英雄4」は金田自身が絵コンテ・作画を担当。「武蔵伝II」は金田コンテ、今石原画という豪華さだが、これは金田からの直接の指名だという。それについて「本望です。人生の目標を達成したようなものです」と嬉しそうに語る今石が大変印象的だった。
 さらに、最後のエピソードは数日前に納品がすんだばかりの「FLUXIMATION」全14本+「GENIUS-PARTY」パイロットの上映。「FLUXIMATION」は1本ずつは短いものの、まとめて観るとかなりの見応え。今石と小黒も興奮気味に個々の作品の感想を述べた。続いて、金田伊功が作画監督を務めた『大空魔竜 ガイキング』最終回(44話)「壮烈!地球大決戦」が流され、迫力ある金田作画と、乱暴ですらあるダイナミックな内容を堪能。大いに盛り上がったところで、第2部は終了した。
 第3部では、片渕須直、今石洋之、そしてたまたま遊びにきた水島精二もゲストで登場。『サイボーグ009[第1作]』の中でも異色作として名高い16話「太平洋の亡霊」を上映。芹川有吾以下スタッフの本気の仕事に、ゲストも観客も息をのんでいた。
 続いて、『LITTLE NEMO』のパイロットを2本の上映へ。長きに渡って制作に携わった片渕が、『LITTLE NEMO』がいかにビッグプロジェクトであり、いかに苦難の道のりをたどったか、その一端を語ってくれた。実際に使用され動画用紙がいかに大きいか、実物を見せると、観客席からも驚きの声が。上映されたのは、近藤喜文と友永和秀による1984年版と、出崎統演出の1987年版。どちらもこれで何が問題だったのか、と思うほどの素晴らしいフィルムである。撮影出身の水島からは、1984年版を観て「映像は凄いけど、撮影する側としては大変すぎますよ〜(笑)」というコメントも。
 第4部は、三原三千夫、佐藤竜雄、吉松孝博がゲスト。WEBアニメスタイルの連載で紹介されていた、三原の自主制作アニメ『2005年宇宙の旅』を上映。その後、本来はここで大地丙太郎と佐藤竜雄の短編アニメを上映する予定だったが、佐藤竜雄の腱鞘炎等の理由で、残念ながら間に合わなかった。その代わりというわけではないが、大地監督の『増田こうすけ劇場 ギャグ マンガ 日和』を上映。特に、第8話の「光速ライダー マッハ涼」は、大地監督が演出・作画から撮影までこなしたという意欲作。あまりのくだらなさ(誉め言葉)に場内は爆笑だった。さらにアニプレックスの藤本昌俊プロデューサーが、来年1月放送の新作アニメ『練馬大根ブラザーズ』の予告ビデオをもって登場。その予告編ではアニメ映像だけでなく、実写でワタナベシンイチ監督も出演し、パフォーマンスを見せてくれた。
 イベントの終了は22時。たっぷりとアニメを観るイベントは5時間半で幕を下ろした。

●関連サイト
『鴉―KARAS―』公式
http://www.thekaras.net/

『ギャグマンガ日和』公式
http://www.bandaivisual.co.jp/gag/
http://www.kids-station.com/minisite/gyagumanga/

FLUXIMATION『Utada×森本晃司』
http://pc.fluxnet.jp/fluximation/01/index.html

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