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練馬大根日記［浦沢義雄］

第８回　失礼なプロデューサー

　字を書くことがどうも好きになれません。
　本当は絵描きになりたかった。
　絵が描ける人を尊敬しています。
　石ノ森章太郎先生の人格に感動しました。
　その石ノ森先生に大変失礼な事をしたプロデューサーがいました。
　フジテレビの前田一也氏です。
　当時、石ノ森章太郎原作で私たちは仕事をしていました。
　前田氏と読売広告社の木村京太郎氏が石ノ森先生にいろいろな注文を出し、主人公のキャラクターを描いてもらいました。
　石ノ森先生が私たちの目の前で次から次へと描いてくれます。
　それは見事なものでした。
　「もうちょっと目を大きく」
　私と前田氏が言います。
　そのうちに、
　「そうじゃなくて」
　前田氏が石ノ森先生の描いた絵を修正してしまいました。
　「前ちゃん、うまいね」
　石ノ森先生が笑ってました。
　「ぼく、高校の頃、美術部だったんです」
　前田氏もうれしそうに答えました。
　いくら高校の頃、美術部だったとしても、石ノ森章太郎先生の絵を修正してはいけないと思います。
　この件については読売広告社の木村京太郎氏も同意見です。

■第９回へ続く

●関連サイト
http://www.ndbrothers.com/

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（05.12.26）

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