色彩設計おぼえがき[辻田邦夫]

第63回 実はいま『DRAGON BALL』と格闘中であります(汗)

北京オリンピック、終わりましたね(苦笑)。

なんだかんだ言って、結構見ちゃいました、中継とか録画とか。とりわけソフトボール、かなり熱くなって観てました。残念ながら、決勝戦だけ仕事で生中継観られず(泣)。でも「金」取れてよかったあ!

一方、野球は残念な結果。でもまあ、なんかそんな予感はあったんですよね。言いたいことはいっぱいあるけど、言ったところでどうなるもんでもないし、ウザイので書きませんが(苦笑)。

でも、なんで日本の野球は、国際仕様のボール使わず、日本仕様のサイズのボール使ってやってるんでしょう? そこがどうにも分かりません。まず、そこから何とかしていかないと、ダメなんではないかと。野球への取り組み方や考え方の違いは国それぞれでいいかもしれないけど、ボールがそもそも違うってのはヘンですよ。ボールは野球ってモノのすべての基本。その大前提が違ってるのに「日本は強い」とか言ってること自体、おかしいと僕は思います。

あ。

そういえば、開会式の中継、録ってあるんですが、まだちゃんと見てないなあ。なんかこのまま死蔵しちゃいそうな予感が……。で、あっという間に、ロンドン五輪なんでしょうな(苦笑)。

さてさて。

またしても2週にわたってお休みさせていただいちゃったこの連載であります。楽しみにしていただいている方々には、ホント申し訳ありません(汗)。

連載の方、前回から劇場版『DRAGON BALL Z』のお話を書き始めたところなんですが、実は現在、本業の方でも『DRAGON BALL』の新作の製作が進行中。そのため+αで忙殺されております。集英社さんの今秋展開のイベント用の1本。原作者・鳥山明先生書き下ろしのエピソードってことで、なかなか気合い入って作ってます。

監督/上田芳裕、作画監督/山室儀直、美術監督/倉橋隆。上田さん、山室さんはずっと『DRAGON BALL』作ってきたメンバー。そこへ倉橋さんの美術がいい感じではまっております(笑)。

去年だったか一昨年だったか、フジテレビの番組「I.Q.サプリ」でクイズ用の短編は作ってるんですが、こうしてちゃんとした作品として『DRAGON BALL』を作るのは、TV放映終了以来初めてであります。

ですので、僕の作業は、まずは旧作の色指定を東映アニメーションのデータベースから出してきて、それをデジタル彩色用の色指定データに起こし直すことからスタートです。実は『DRAGON BALL』って最後までセル仕上げ+フィルム撮影で作ってたのですよ。なので、現在のデジタル彩色用にはまるっきり素材がなくって、まずはそこから作り始めることに。

コイツがねえ、大変なんですよ(笑)。なんせ、数が……(苦笑)。今回の新作に登場するキャラクターの分だけ色指定を起こし直してるんですが、それでもサラッと50体以上。当然新作用の新キャラもあるわけで、いきなり60数体の色指定作成となりました。

まずは悟空やベジータ、ピッコロさんとか、主だったキャラを先に作ってバランス取っていったのですが、最初に作った色で何カットか撮影してもらったところ、なんかやたら温和しい『DRAGON BALL』になっちゃって……(汗)。どうも、少しばかり今風に馴染ませた色遣いになっちゃったのですね。

で、「こんなのは『DRAGON BALL』ぢゃない!」と、平謝りで自主リテイクさせていただき、色味を「バキッ!」としたモノに作り替えたり、と試行錯誤であります。

そんなこんなで、どうにもバタバタしております(汗)。

イベント用ですので、TVとかではご覧いただけないっぽいですが、気になる方は集英社さんのイベントに足を運んでみてください。

と、いうわけで、次回からは「昔々」再開……の予定であります……たぶん(汗)。

■第64回へ続く

(08.09.02)