色彩設計おぼえがき[辻田邦夫]

第10回 番外編……ソウルに来てます

昨日(月曜日)から、韓国のソウルに来ています。いま僕が参加している作品『太極千字文(たいちせんじもん)』の打ち合わせのためです。

この作品は韓国での放送用のTVシリーズ作品で、シナリオから絵コンテ、キャラクターや美術の各種設定までを日本側(東映アニメーション)が担当し、アニメーション制作の実作業を韓国のプロダクションが担当します。そう「合作」ですね。

僕ら日本側スタッフで作った設定などの材料をもとに、韓国側でいろいろ料理して膨らませて完成させてもらって放送する。そんな感じです。

まずは4月から韓国での放映開始が決まっていて、すでに制作もだいぶ進んでいます。今回の打ち合わせは、演出とか作画とかそれぞれのパートで、いろいろ質問とか注文とか出てて、その確認とか検討とかいろいろです。

一緒に来ているのは、プロデューサー、監督、キャラクターデザイナー、メカデザイナーなどなど、総勢8名。明日(水曜日)まで、かなり密度の濃いソウル滞在になります。

昼にソウルに到着した僕ら一行は、迎えにきてくださったプロダクションの方々と昼食をはさんで、すぐさま制作現場へ直行です。

場所はソウル市内の一角に近年新しく整備された地区。ガラス張りのオフィス用高層ビルが多数建ち並んでいます。この地区には韓国のアニメーションの制作プロダクションが多数集まってきてるんですが、みんなそれらの高層オフィスビルに入ってるのですよ。いやあ、日本とは大違い(笑)。

でも、一歩スタジオに足を踏み入れると、そこはやっぱりアニメ制作の現場です。積み上げられたカット袋の山や壁に貼られたポスターたち、作業机やモニターに向かって仕事中のスタッフの方々や、かたわらの折りたたみベッドで仮眠中のスタッフの方々。ああ、おんなじですね(笑)。

ひととおり見学させていただいたあと、会議室に韓国スタッフと日本スタッフが集まって打ち合わせ開始。当初の予定時間を大きく上回って延々5時間近くも熱いミーティングをやりました。やっぱり、アニメ制作の基本はスタッフの意志の疎通ですね。現場のスタッフと会って話するのは楽しいですよ。いろいろ抱えてる仕事が大変だったので、この出張、断念しようかとも考えてたんですが、いやあ、来てよかった!

2日目の今日はアフレコ現場を見学させていただいてから、またスタジオに戻って打ち合わせです。

この『太極千字文』日本での放送はまだまだ未定なんですが、早く日本でも放送が決まればいいなあ。

というわけで、ごめんなさい、今回はそんなソウル出張日記でした(汗)。

■第11回へ続く

(07.03.13)