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【情報局】春は劇場アニメのシーズン!(4)
可愛い子ブタの哲学メルヘン?『マクダル パイナップルパン王子』


 幼稚園に通う子ブタのマクダルは、たくましいシングルマザーのミセス・マクと2人暮らし。今の世知辛い世の中、ちょっぴりぼーっとしている息子の将来を考えると、母は気が気でない。そんなある日、「ハリー・ポッター」に影響を受けた彼女は、思いつきでマクダルに奇妙な物語を聞かせ始める。それは、頭にパイナップルパン(=日本で言うメロンパン)を被ったブタの王子様がたどる、波瀾万丈の大冒険ストーリー! ……かと思いきや、王子はいつの間にか平凡な大人になってしまい、就職し、普通の娘と恋に落ちる。その相手とは、若き日のミセス・マクだった――。
 本作は、香港で絶大な人気を誇るTVアニメ『春田花花幼稚園/マクダルとマクマグ』の劇場版第2作。一見すると、愛くるしい動物のキャラクター達がたくさん登場する、ほのぼのキッズアニメのようだ。しかし、その内容は決して一筋縄ではいかない。香港人らしいバイタリティと風刺精神に満ち、かつまた観客に深い思索を促す知的な作品なのである。
 劇中劇のかたちで語られる、あまりにも型破りでシュールな物語から立ち上がってくるのは、「人生とは何か?」という哲学的テーマ。生きる事の悲哀を一身に背負い、永遠の迷子となるパイナップルパン王子の姿を突き放して描きながら、希望の薫る優しいラストへと導いていく。いわばフィクションの持つ魔法が生きた、秀逸な寓話になっているのだ。2Dアニメと3DCGをごた混ぜにしたビジュアルも、やや荒っぽくはあるが、随所に瑞々しい感性を感じさせる。とぼけた顔して強烈な作品だ。
 3月11日(土)より、渋谷・ユーロスペースにてロードショー公開。


『マクダル パイナップルパン王子』
麥兜 菠蘿油王子 McDull, prince de la bun


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●キャスト
マクビン=パイナップルパン王子(大人)/アンディ・ラウ(劉徳華)
ミセス・マク、皇后/サンドラ・ン(呉君如)
園長、ドクター、他いろいろ/アンソニー・ウォン(黄秋生)
マクダル、パイナップルパン王子(子供)/レイ・ウィンイン(李穎賢)
ファイ、ピザファイ/チョイ・ジンナム(蔡正男)
ミセス・マク(若き日)=玉蓮/the pancakes
ナレーション(大人になったマクダル)/チェット・ラム(林一峰)

●スタッフ
監督/トー・ユエン(袁建滔)
製作・原作(物語)・脚本/ブライアン・ツェー(謝立文)
原作(絵)・美術/アリス・マク(麥家碧)
音楽/スティーブ・ホー(何崇志)
配給/マジックアワー

●公式サイト
http://www.mcdull.jp/

(06.03.07)

 
 
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