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DVD2題

 ちょっと古い話になりますが、前に『レインボー戦隊ロビン』で脚本としてクレジットされている小島和彦、吉野次郎、朝風薫について、それらが飯島敬プロデューサーのペンネームだ、と書きましたが、それは間違いでした。前二者は確かに飯島さんのペンネームなのですが、朝風薫の名を使っていたのは、シリーズ途中から参加していた大沼克之プロデューサーだったそうです。
 先日、リスト制作委員会の原口正宏さんが、とある取材で大沼さんに会って、その話をご本人から聞いたんですよ。『ロビン』ファンの間では、以前から「朝風薫=飯島敬」説が定着していようなんですが、それが違っていたんですね。やはり、きちんと関係者に話を聞くのは大切だなあ。
 今回の更新ですが、「永沢詢インタビュー」は、いよいよ『わんぱく王子の大蛇退治』の話題になります。それから『マインド・ゲーム』応援団が最終回。この連載、多少は映画の応援になったでしょうか。だとしたら嬉しいですが。

 さて、今週はDVDの話題をふたつ。ひとつは「BREAKING THE HABIT」。これは米国の人気ロックグループLinkin ParkのPVで、アニメーション制作がゴンゾ、アニメーションディレクターは中澤一登。MTV Video Music Awards 2004で、視聴者賞を獲得した力作です。
 中澤さんのキャラクターは「KILL BILL」アニメパート延長線上にある、荒っぽい描線のもので、なかなかの味わい。圧巻は後半のライブシーンで、ここは実写映像を下敷きにして作画しているのですが、画や動きに巧みなアレンジを入れて、見事なアニメーションに仕上げている。特に、作画とデジタルを駆使した「動きのブレ」の表現がカッコいいんですよ。さ〜すがぁ! DVDには、PVだけでなくメイキングも収録されているのですが、中澤さんのインタビューがないのが残念ですが(何度か画面に登場はします)、作画者は是非チェックを!

 もうひとつは「宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星 イスカンダル」アニメ名場集。これは『宇宙戦艦ヤマト』第1シリーズを元にしたゲームの、ムービー部分を集めたもので、先日リリースされた新作ゲーム「宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶」初回生産限定版の特典DVDに収録されました。要するに新作ゲームの特典に、過去の作品のムービーが付いてきたわけです(ちなみに今回発売されたゲームは『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』を元にしたもの)。
 僕は、ゲームはあまりやらない人なのですが、このDVD観たさに買ってしまいました。ゲーム用に新作映像が作られているのは、イベント部分だけのようで、続けて観てもストーリーは分からないのですが、十分に愉しめました。まず、画がいい。作画監督はOVA『QUEEN EMERALDAS』『宇宙交響詩メーテル』も手がけた、増永計介。絵柄については、オリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』よりも遥かに濃くなっているし、線の感じは松本零士の画とも微妙に違うと思うのですが、それなのに「ああ、『ヤマト』の新作映像を観たぞ」と思えた。これは不思議です。描き手の思い入れがなせる技でしょうか。
 声を聴くのも楽しい。納谷悟朗、麻上洋子、青野武、永井一郎、広川太一郎と、オリジナルメンバーをそろえています。島大介は『完結編』でも同役を演じた、ささきいさお。スターシャに上田みゆきを配したのもニクい。
 圧巻は主人公の古代進。亡くなられた富山敬に代わり、山寺宏一が演じているのですが、これが抜群の巧さ。いや、「巧い」なんて凡庸な言葉で片づけるのは失礼なくらい、見事に演じきっている。声が全く同じというわけではないのに、ちゃんと古代進に聞こえるんですよね。恐るべし、山ちゃん。他のキャストも30年前(!)の芝居を再現している人もいれば、随分変わってしまった人もいて、まあ、そのあたりもマニアックな聴きどころ。
 エンディングは、ヤマト乗組員が地球に帰った後を描いた静止画像なんですが、観た時に不覚にもホロリとなってしまいました。ゲーム自体はまだプレイしていません。すごーくヒマになったら、その時にでも……。

(2004/10/13)


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