【EVENT】オールナイト「今石洋之のロボットアニメ魂」
イベント報告&感想メールです!

 2009年10月17日(土)に、アニメスタイルと新文芸坐の共同企画によるオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクション Vol.3 今石洋之のロボットアニメ魂」が開催された。上映作したのは『アベノ橋魔法☆商店街』3話「合体!アベノ橋☆大銀河商店街」、『DEAD LEAVES』、『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』、『同 螺巌篇』の4本。今回は補助席だけでなく、立ち見まで出てるほどの大盛況。「天元突破グレンラガン IMAGE BOARD」のサイン本も販売したが、売れ行きは上々だった。
 トークに登場していただいたのは、当然ながら、今石洋之監督。個々のタイトルについての話についてはもちろん、作品作りに対する考え方について、あるいは、彼のお気に入りである実写版「トランスフォーマー」について等、笑いもまじえて楽しく語っていただいた。「ちんこドリルが……」「立ちションは……」「キンタマが……」などと下品な話題も多く、そのたびに司会の小黒編集長は「下品な話ですいません」と客席に向かって謝っていた。
 なお、『アベノ橋魔法☆商店街』はDVD、『DEAD LEAVES』はDVカムによる上映だった。『DEAD LEAVES』の色味については、上映前に今石監督にチェックしてもらい調整した。ロードショー時に近い映像になっていたはずだ。

■EVENT DATA

新文芸坐×アニメスタイルセレクション Vol.3
今石洋之のロボットアニメ魂!

会場

新文芸坐

日時

10月17日(土)夜22時30分〜

上映作品

『アベノ橋魔法☆商店街』3話「合体!アベノ橋☆大銀河商店街」、『DEAD LEAVES』、『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』、『劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇』

トークショー
出演者

今石洋之監督、小黒祐一郎(本誌編集長)

 以下に、来場されたお客さんからいただいた感想メールを掲載する。なお、掲載にあたり、改行などに手を入れさせていただいた。

■感想メール

よーすさん

何より良かったのはアベノ橋3話ですね。
あの作品を劇場で、しかも満員の観客と共に観るなんて本当に不思議な気分でした(笑)。
パロディや、グレンラガンと似てるシーンが出るたびに周りから笑い声が聞こえてきて楽しかったです。
グレンラガンファンが多かったようですが、アベノ橋3話は楽しめたんじゃないんでしょうかね(デッドリーブスはどうなのか分かりませんが……笑)。

また今石洋之オールナイトをやる時があったらミクロマンをやりたいという話をされていましたが、観た事ないので是非観たいです! 実現されるのを願っています!

鈴蘭さん

とっても楽しかったです!
アベノ橋とデッドリーブスは初見だったのですが予想以上に下品でびっくりしました(笑)。
映像と動きはどちらもすごい好みでした。
今石さんの作品はいつも女性がかっこいいのに脇役なので、今度是非ナイスバディなカッコいい女性が主人公の作品を作って欲しいなあと思いました。
次回開催時にはRe:キューティーハニーと武蔵伝IIオープニングを流してもらって、残りは全部トークショーでも良いなと思いました。
とりあえず興味を持ったのでトランスフォーマーはみてみようと思います。

キョウイチさん

『アベノ橋魔法☆商店街』と『DEAD LEAVES』だけでも見ごたえ十分なのに、『グレンラガン』を劇場でフィルムで2本連続で見ることができ、もうおなかいっぱいです。上映後は拍手が起きてましたよ。

ところで、今後の「新文芸坐×アニメスタイルセレクション」についてですが、トークで今石監督が「トランスフォーマー リベンジ」の魅力を語られていましたが、アニメ作品とともに実写作品を上映してもいいのではないでしょうか。
監督特集ならその監督が影響を受けたり好きな実写作品、作品の元ネタとなった実写作品などをアニメ作品と一緒に上映するのはありだと思います。
先日、アニメ制作会社の方とアニメプロデューサーのお話(それぞれ別のイベントです)で、「最近のアニメーターは実写作品を観ていないのでは」という発言があり、それは受け手にも同じことが言えるのではないかと思った次第です。
表現方法は違いますが、同じ映像表現というカテゴリーで互いの新たな魅力を発見できたりすることもあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

ドナドナNo.5さん

とても刺激的で最高に面白かったです。
自分が今石監督の名前を意識したのは、『グレンラガン』が最初だったのですが、まさか、その出発地点ともいうべき作品が、すでに存在していたとは。
まさにガンメンであり、まさに●●●ドリル!!
それらを踏まえた上で、視聴者を意識したサービスをおこなうと、このような作品が生まれるんだ〜と、感心することしきり。
さらには、今石監督があそこまでハリウッド映画の「トランスフォーマー」を熱く語るとは、思ってもみませんでした。
むむむ、あなどれませんね。

今までは、ただなんとなく面白いからと観ていたアニメが、トークショーによって視野が広がり、再見にもかかわらず、新鮮な気持ちでふたたびグレンラガンを観ることができました。やっぱ深いわ、この作品。

西岡さん

大サービスな上映内容の上、楽しいトークのお陰で場内の雰囲気もよく、今石作品ファンとして大満足なイベントでした。ありがとうございました。
ミクロマンは是非観たいので、Vol.2期待してます!

こちらは要望ですが、アニメスタイルセレクション用に当日フライヤーなどの配布があると、記念になるし嬉しいかもしれません。 是非ご検討お願いします

腐りキャタピラさん

今回のオールナイトは
情報量の多さと動きの激しさでは
群を抜くメニューだったのではないでしょうか。

まずDEAD LEAVES。
この作品について今石監督が「バカの裾野を拡げたかったんですよ」とおっしゃっていたのがとても印象に残っています。
さらに「当時のアニメ界は『なんかお利口なことを言わないといけない』みたいな雰囲気だったんで、もっといろんな方向性のアニメがあってもいいんじゃないかと思って、登場人物を全員バカにしました(笑)」ともおっしゃっていましたが、あのスーパーハイテンションな作品世界の裏には、そんな監督の漢気と反骨精神が隠されていたんですね。

なんども繰り返し見た作品でしたが、「これを、イノセンスのとなりで作ってたんですよ(笑)」という監督のパンク精神あふれるトークの後に見れたので、非常に熱いものを感じました!!

次に『アベノ橋魔法☆商店街 第3話「合体!アベノ橋☆大銀河商店街」』。
監督が「当時の僕は後にロボットものの監督ができるとは思っていなかったので、ロボットでやれることを全部詰め込みました(笑)」とおっしゃっていた通り、テレビシリーズを1話みただけなのに2時間モノの映画を1本みたかのような満足感でした。

そして『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮編&螺巌編』。
この2作はたぶん見たことのある人が一番多い作品だったと思います。
でも、何度でも見たいとか、大勢で見たいという思いの人も多かったみたいで、むしろ一番会場のテンションが上がったように思いました。

あの情報量の4本立てを見終えたということもあり達成感と少しの疲労感がここちよく、感動的な共有体験でした。これぞオールナイトの醍醐味という感じです。

あと最後にリクエストなのですが、トークショーではトランスフォーマーとグレンラガンからみるロボットのレーゾンデートルのお話や、ロボットアニメの様式美のお話、ロボットとアクションヒーローの記号的類似点のお話などなど、そのまま映像系の学校の授業などでひっぱりだこになりそうなお話がたくさんありました。トークショーの後半だったので、残念ながら時間切れとなりましたが、もしまた機会があればもっと詳しく監督のロボット論をうかがいたいです。

(09.12.09)