色彩設計おぼえがき[辻田邦夫]

第41回 ゴメンナサイ! またしても「色指定〜」の事はちょっと置いておいて『墓場鬼太郎』の話

またしても2週間ぶりのご無沙汰でございます。

先日、東京は「春一番」が吹きました。吹きました、というよりも「吹き荒れた」という表現が正しいですな。土や砂を巻き上げた茶色い風は、まさに砂嵐のよう。街中黄色茶色い色彩に染まりました。遠く砂嵐の彼方にかすむ新宿の高層ビル街は、なんとも中東の映像か、はたまた『北斗の拳』かという感じ(笑)。

で、その「春一番」と共に、今年も「花粉シーズン」の到来です。

僕自身は幸いなことにまったくもって花粉症は微塵もないのですが、うちの奥さんがそれはもうひどい花粉症なのですね。眼や鼻のみならず、皮膚に花粉がついちゃうとそこが紅くかぶれちゃって、それはもう死ぬほど痒いんだそうです。

う〜む……。

というわけで、現在我が家は、すべての洗濯物は室内干しでありますよ(苦笑)。

アレルギーのない身体に生んでくれた親に感謝しつつも、いついきなりなっちゃうか分からない花粉症に今年もちょっとだけ脅えてます(苦笑)。

さてさて。

絶賛大好評放送中の『墓場鬼太郎』ですが、今週放送(関東)の第8話「怪奇一番勝負」まで制作完了。残すところ放送はあと4話、作業はあと3話となりました。すでに最終話までの編集・アフレコは終わりまして、あとはいつもながら遅れ気味の画面の方の作業を、急ピッチで追いかけてるところです。

実質、色彩設計の僕の仕事も概ね終わりまして、あとは上がってくるラッシュのチェックを重ねていくという感じですね。それと、DVD発売に向けての追加カットの作業と修正の作業。あ、DVDパッケージの作業もあります。まあ、それは追々ですが。

それにしても早いし短いですよね、全11話って。『モノノ怪』の色彩設計の永井さんとも話したんですが、「短いですよ、11話って。もう『あっ!』という間(笑)」と。なんかね、やっとこさ慣れてきて「さあ、これからもうひと暴れ……」ってなところで終わっちゃう感じです。ううむ、もうちょっとやりたいなあ……としみじみ(苦笑)。

でもまあ、この『墓場鬼太郎』、原作自体がもういくつも残ってないし、それにこの手の作品、下手にオリジナル話作ると藪蛇だったりするので、むしろやらない方がいいですし(苦笑)。なのでこの11本に全力投球ってのが、むしろちょうどよいのかも知れませんね。何事も「もうちょっと……」ってところで少しだけ未練残しておく方がいいものですよ(笑)。なので、残りを楽しくやりきりたいと思ってます。

さて、話は変わりますが。毎週放送されるエンディング。スタッフクレジットの後ろに映る文字ですが、以前「毎週変わる」とだけここで紹介しましたが、実はあれ、次週放送の話のシナリオの抜粋であります。

『墓場鬼太郎』では、エンディングの映像に「次週予告」のカットを画面分割でインサートする、という作りになっているのですが、その予告画面のみならず、シナリオ自体を抜粋で映すことで、いわばエンディング全体が「次週予告」ということになっているのですね。

で、その文字の色は僕が決めさせていただいているのですが(ちなみに文章とポイントで色味を変える語句を選んでるのは演出助手の後藤くんです)、話数によって、わざと読みやすくしたり読みにくくしたり、色味のバランスで遊ばせてもらってます(笑)。本編の色味のみならず、こういうところでも「色」って面白いです。

さあ、残すところあとわずかな『墓場〜』ですが、さて、最終11話のエンディングの文字、いったいどうなるんでしょうかね? 実はまだ決まってないのですが……。

■第42回へ続く

(08.02.26)