色彩設計おぼえがき[辻田邦夫]

第101回 秋の新番組をご紹介!な特別編 『怪談レストラン』をよろしく!

先だっての日曜日、狭山市の僕の実家にちょっと帰ってきまして、その時にいろいろと自室の倉庫を家捜しして参りました。そしたらね、いやあ出てきましたよ、いろいろと。

まずはセル画。東映時代にスタッフからもらった『DRAGON BALL Z』や『北斗の拳』『聖闘士星矢』なんかのセル画がごっそりと。特に『聖闘士星矢』は、劇場版『神々の熱き戦い』のセル画たちが出てきました。ミッドガルドのセル画なんかが。もちろんみんな背景つき。

これはちょっと貴重でありますよ。……あ、他のもみんな貴重なんですがね(汗)。この『神々の熱き戦い』のセルは、自分がかなり気に入ってて、で、記念にいくつかもらったヤツです。

あ、そうそう、前回熱く語ってしまったTVシリーズ『みゆき』、このセル画も奇跡的に1枚出て参りました。ああ、オレ持ってたんだ! とビックリ(笑)。

他にはいろんな作品の色指定が出てきましました。TVシリーズ『みゆき』をはじめ、『ふたり鷹』『幻魔大戦』『宇宙戦艦ヤマト 完結編』『ダイラガーXV』などなど。それと『うる星やつら ★ビューティフル・ドリーマー★』も。

この『ビューティフル・ドリーマー』、色指定の表紙には「Remember Dream」となっていて、「あ、そうだった。公開されたらタイトルが変わってた」って思ったんだよな、というコトも思い出したり。

そんな感じで、ちょっと掘っただけでもかなりいい感じ(笑)。それでも『地球物語』や『巨神ゴーグ』の色指定が出てこなかったので、まだどこか他の棚とかに埋もれてるんではないかなあ、と。なので、また近いうちに「発掘」しに帰ろうかと思います。

さてさて。

連載101回目は、さあ! 新展開! ……と行こうかと思ったんですが、いやいや、ここでもう一拍置かせてください。そう、僕が参加してる番組のちょっと宣伝をば(笑)。

東映アニメーションの秋の新作テレビアニメの注目作、といえば『モノノ怪』の中村健治監督作品『空中ブランコ』でありますが、その影にちょっと隠れて(苦笑)、もう1本、TVシリーズが始まります。テレビ朝日系で10月からオンエアの『怪談レストラン』であります。

原作は同名の児童文学書『怪談レストラン』(責任編集:松谷みよ子/絵:たかいかずよし・かとうくみこ)。日本の民話や伝承、世界の怪談などをオムニバスで収めた小中学生向けの怪談シリーズで、このシリーズなんと50巻も出てる人気小説なのであります。

で、それを今回、東映アニメーションがアニメ化です。シリーズディレクターを池田洋子氏、シリーズ構成を米村正二氏、という『ねぎぼうずのあさたろう』のコンビで。キャラクターデザインをスタジオ・ダブの高橋晃氏、美術デザインを渡辺佳人氏が担当、僕はメインのキャラクターのカラーデザイン、メインビジュアルのコーディネートを担当してます。『はたらキッズ マイハム組』のパターンですね。事実上の色彩設計である「色指定」は豊永氏が担当です。その他のスタッフも、基本『ねぎぼうず』の面々がほぼそっくり担当します。

お話は、アコ、ショウ、レイコという3人の小学生を中心に展開していくオムニバス形式。毎週レストラン仕立てで「前菜」「メイン」「デザート」の3本のお話をお送りします。

この『怪談レストラン』、全国24局ネット、しかも毎週火曜日夜7時半から、といういわば「ゴールデン」枠でありますよ!

先日、番組のヒット祈願と、一応「怪談」と付くのでスタッフの安全を祈願して、ちゃんと「お祓い」してまいりました。さあこれで大丈夫、スケジュールを除いては……というところ(苦笑)。

というわけで、この秋のアニメは『怪談レストラン』もよろしくご贔屓にお願いいたします。

■第102回へ続く

(09.09.08)