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アニメの作画を語ろう
シナリオえーだば創作術――だれでもできる脚本家[首藤剛志]

第154回 いままでの休載のお詫びと再開のお知らせ

 このコラムをお読みになっている方達には、長い間、音信不通になってしまい申し訳ありませんでした。
 コラムを休んだ頃は、体調が悪く、食欲もなく、歩くのもおっくうで、仕事場のすぐ近くにあるコンビニでポカリスエットを買うのがやっとの状態でした。
 それでも、仕事場の中でパソコンとベッドと電話とトイレの間はうろうろしていたのですが、とうとうベッドから起き上がれなくなり、異変を感じた家族がやってきて発見され、仕事場から運び出されて最寄りの大学病院に緊急入院。
 仕事場にこもって1ヶ月ぐらい家族に会わないのは僕にとって普通のことなので……一応、毎日、電話連絡はしているのですが、声だけは元気に聞こえるようです……もし、後1週間ほど発見が遅れたら、餓死していたかもしれません。
 この経験で分かったのは、人間は(少なくとも僕は)3週間、ポカリスエットだけでも生きていられるということでした。
 ただし、真似はしないでください。これは、あくまで僕の例で、親が丈夫に産んでくれたからか、たまたま運がいいだけなのかもしれません。
 で、入院先で点滴されたまま、徹底的に体中を検査、悪いところを片っぱしから治してもらい、なんとかお粥を口から流し込めるようになり、と同時に食欲も出て、不摂生の権化のような僕の生活習慣も、朝6時起床、夜9時消灯の規則正しい病院時間に慣らされ、おかげで、ここ数十年ない良好な健康状態で退院できました。
 かなり、ラッキーだったといえるでしょう。
 緊急入院ということで、6人部屋の空いたベッドに寝かされていたのですが、他の入院患者さんは、見た目は元気に見える人も実は重病の方が多く、いろいろ考えさせられました。
 実は、僕には、なんと過去に10回ほど入院経験があり、そのたびごとに、様々な患者さんの日常生活を知ろうとしたり、看護婦(今は看護師と呼ぶ)さんやお医者さんと仲よくなって各病院の内情を聞いたり、ワープロを持ち込んで、入院時に放映中の作品をシリーズ構成しながら脚本を書いたりしたこともあったのですが、今回は、そんな気持ちの余裕はありませんでした。
 人の命には限りがある。
 生きているうちにやれる事はやっておこう……というような、かなり切迫した気分に襲われました。
 でも、やりたい事の3分の1もやっていないのに、気がつけばほとんど熟年です。
 僕の友人には「100歳まで生きてやる」という人もいますが、僕は無理でしょう。
 そもそも、物書きの寿命は、若い頃の不摂生もあってか、そう長くはありません。
 とりあえず、書く予定が決まっているものは片づけたいと思っています。
 そのひとつがこのコラムです。
 現在のコラムは、『ポケモン』について書いている途中で休載になっていましたが、これからの『ポケモン』アニメ版には、それまでの脚本家としての僕が経験しなかったことが起こります。
 基本的にこのコラムは、アニメの脚本に興味のある方に向けて書いています。
 しかし、アニメに関心のない人が興味を持つかもしれない事件が、しばらくして出てくるでしょう。
 今現在、体調は極めてよく、コラムを再開しようと思います。
 このコラムをお読みいただいている方には長い休載をお詫びするとともに、これからもよろしくお願いします。
 では……。

   つづく
 


■第155回へ続く

(08.07.30)

 
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