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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第64回
『グレン〜』M・Cについて
軽〜く……

 『天元突破グレンラガン』ミュージッククリップ(仮)

 です! 『ロザリオ〜』#10のコンテ・演出と『ミチコとハッチン』(これも、発表になってたのでタイトルバラしてしまおう! ――が一応話数はふせときます)のコンテをきりつつ、板垣的に久々の“全カット原画”……そう、全カット原画の3本目になります(ちなみに1本目は東京デザイナー学院の卒業制作、2本目はテレコムでやったカートゥー○ネットワークの“TVは離れて見よう!”のTVスポット)。
 今回『グレン〜』M・Cで自分がやったのは、コンテ・演出・全カット原画。白石制作Pより提示された条件は以下のとおり――

  • 曲はサントラの中から早いもの勝ちで好きなのを選ぶ。
  • カット数の上限は70カットまでで動画枚数は800〜1000枚まで。
  • 今石、中島両氏は内容に口出ししない!

 ここで重要なのは“内容も任されてる”って事です。つまり、大変な濃厚・重厚・最高のものを作っても、ほどほどに作っても、スケジュール、ギャラともに変化なし! て事。
 こん時、“短編と言ってもお話(ストーリー)は必要!”という自分の主義と

 『ロザリオ〜』#10コンテ・演出と『ミチコとハッチン』のコンテ……
 さらに来年(2009年)放映の自分監督作の打ち合わせ

 があるという条件が加わった上で、まず曲を選びました。『グレン〜』の音楽は『BLACK CAT』と同じ天才・岩崎琢様。『グレン〜』のサントラは黒猫同様、面白くてカッコよい曲が多いです。その素晴らしい曲の中から俺が選んだのは、ラップ。ラップを使えば、まず――

 40カット以内でおさまる!

 ……と。ホラ、リズムが単調なんで、同じカットで、くりかえしのネタが作れるじゃないですか。よって、カット数・作画枚数ともにリーズナブルにおさまるわけ。あと、曲のタイトル、

 ラップは漢の魂だ! 己を信じて天を指差す怒涛の男

 が気に入ったってーのもあります。やっぱカミナのテーマなんですよね、コレ? 実は俺、本編『グレン〜』#8のカミナの死に方が、あまり納得いってなかったもんで……。いや、“出来悪っ!”ってんじゃ全然なく、むしろ“凄くよくできてた”と思うんですが、ただもう少し別のアングルから見て、自分流で、カッコイイカミナを描いてみたいって欲求がありました。その板垣的にカッコイイカミナで、実際かなり具体的なイメージまで組んでたんですが、



 なんかヤケに時間がかかったわりにあんまいいオチに結びつかなかったのに対して、寄り道のつもりでフザけて考えたギミーのネタが、ものの3秒でオチまで辿り着いたので、

 「3秒で考えた内容なら3ヶ月ありゃ作れるだろ!」



 と、ガラッと内容変えてできたのが今回全カット原画描いた『グレン〜』M・Cなわけです。原画作業ったら、

 「ホントーに楽しかったですよ!!」

 描いたモンが演出修正とか作監修正がのる事もなく、描いたハシからスルスルとフィルムになっていく感じ? 最高でした。作業は主に日曜日だったのに、仕事って思えない(いっつも、どの仕事も大抵そうですが)楽しい気楽な作画でした。そのある種リラックス感は画面に出てると思います。あまりのリラックス感で、今石さんみたいに鼻ホジって原画描いてたくらいで……。



 『グレン〜』M・Cは……え? 劇場『グレン〜』公式サイトでネット配信!? だそーです。よかったら見てみて、今度会ったら感想言ってください(……て配信まだずっと先か〜)。
 そうそう、この話書(描)いてて思い出したのが『砂ぼうず』……。



(08.04.24)

 
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