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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第21回
で、結局
その偉大な監督って誰だよ!?
〜『D.M.C』情報#01

 『エースをねらえ!2』――!!

 この作品に出会ったきっかけは、前回書いたような理由で『ジョー2』以外のアニメを馬鹿にしきっていた俺の前に突如現れる事となった“ガン”にあります。“ガン”とは、その友達のあだ名です。ガンは、その当時(中学2〜3年)相当アニメにハマッていたらしく(彼の場合はもっぱら宮崎アニメでしたが……)、よく学校に「月刊アニメージュ」を持ってきていて、俺もパラパラ見せてもらったりしてました。その時みつけた見出し――

 「岡ひろみは、再び翔く!!」

 ――これです! その記事の中にウェーブのかかった長髪に、サングラスのカッコイイ写真。下に“代表作・『あしたのジョー』『宝島』『ガンバの冒険』など……”とありました。その方こそ、自分に“アニメをやりたい!”と思わせた偉大な監督――


 その記事を読んで、早速ビデオレンタルに行って借りました、『エースをねらえ!2』を! なにせ、それまでの自分が本当に好きだった数少ないアニメ作品(前回のコラム参照)の内、半分はその“出崎統”様の作品だったわけですよ。これは観るしかない!
 で、観ました!

 よかった!!

 ――長い間、味わう事がなかった『ジョー2』と同じ感触がそこにありました! その時点で、ゴルフは卒業し(早!)、小学3年生くらいから触ってたパソコン(当時の呼び名は“マイコン”)も面白く感じなくなっていて、しかもラフばっか何作も描いた漫画もペン入れするのがとにかく面倒くさい。つまり、将来“プロゴルファー”にも“プログラマー”にも“漫画家”にもなれないと思い始めていた八方塞がりの自分に一筋の光が射し込んだのです。

 ――出崎統監督、……そして アニメ!

 まさに、OVAシリーズ『エース!2』は出崎監督が自分に対して、

 「お前は何もわかってねえ!」
 「俺の作品を“アニメ”なんて小せえカテゴリーに入れんじゃない!」
 「俺が作ってるのは、アニメである前に“フィルム”だ!(劇場『エースをねらえ!』パンフレットから引用っぽい)」
 「悔しかったらお前ぇも“フィルム”作ってみろ!」

 と檄を飛ばしているようでした!(飛ばしてねーし……)
 そして、当時『アニメージュ』で見た出崎監督はこんな……。


 ――そんなきっかけでアニメを好きになり、プロになった板垣が現在制作中のシリーズ。それが『Devil May Cry』――!


連載コラム内短期連載! 板垣的・『Devil May Cry』情報
#01 Devil May Cry
(脚本/井上敏樹 コンテ・演出/板垣伸 作画監督/阿部恒)


 今回のシリーズのテーマは“王道!”です。このテーマへの挑戦は、前に“マッドハウスの件”で触れたように、丸山正雄オーナーに呼ばれてゲーム「D.M.C」の記事の切り抜き資料類を見せられた事に始まります。丸山様はニコニコ微笑んで言いました。

 丸山様「俺は、この“ダンテ”ってキャラクターが大好きなんだよ」
 板垣「はあ」
 丸山「君の作品の変にヒネッた見せ方が俺は気にくわねえんだ。ウチでは変な事はやらずに“王道”のドラマをやってくれよ」
 板垣「はあ、なるほど〜。とりあえず、資料読んで考えていいですか?」
 丸山様「いいよ、いいよ。」

 ――次の日、朝9時――

 丸山様(電話)「もしもーし、丸山でぇす。考えてくれましたか?」
 (板垣[M]「……早ぇよっ!!」)
 丸山様(電話)「返事聞かせてくださぁい」
 板垣「はい、やらせていただきます……」

 ――かくて、板垣の“マッドハウス流・王道!”との戦いが始まったのです……!


『Devil May Cry』#01 Devil May Cry
6月14日(木)23時〜 WOWOWスクランブル枠にて放送!

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(07.06.14)

 
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