板垣伸のいきあたりバッタリ!

第242回
『ベン・トー』の話(5)

 前回からの続きで『ベン・トー』#03の話から。#03は早い話、原作第1巻3章「ダンドーと猟犬群」ほぼまんま。でもその「まんま」がかえって難しいのがこの原作です。特に3章は120ページ以上あるわけ!

——って事はアニメ1話分(本編正味20分ちょい)に収めようとすると、単純計算

1分間で6ページ分!

です。大変だ! でも、シリーズ構成・ふでやすかずゆき君が上手くコンパクトにまとめてくれました。冒頭の佐藤が焼却炉に飛び込むまでの回想から「……そんなアホな話じゃない」と回想あけの山原がアッサリ答えるまでの流れは面白くまとまってて、ホン読み(シナリオ打ち合わせ)でも大ウケでした。コンテ・演出は加藤敏幸さんで、この前に、同じdavid productionで制作された『レベルE』の監督さんです。制服投げ捨てたりパンツをポイするあたりのコメディシーンやラストのアクションシーンなどはこちらで多少調整させてもらいましたが、

槍水の「あ〜ん……」

にはやられました。あそこは加藤さんのオリジナルのコンテまんまで、最初見た時は正直「槍水のキャラ的にここまでイケるか?」と悩んだんですが、思い切って流してみて正解でした。凄く可愛く仕上がってて、周りからも好評でした。しんごーやすしさんの作監もよかったですよね。演出・作監ともハイクオリティに仕上げてもらえて何も言う事はありません。
 で、#04は著莪あやめ登場話数。最初はメインキャラの初登場話数は自分でコンテ切ろうと思ってたんですが、津田尚克君が「著莪の話がやりたい!」と制作を通じて名乗りを上げてきたので「じゃ、お願い〜」と。「やりたい!」と意思表示してきた人には案外簡単にやらせてしまうのが板垣です。実際、所々直しはしましたが「面白くしたい!」という情熱に満ちたコンテだったので、著莪と佐藤の絡みあたりは、ほぼそのまま使わせていただきました。あと津田君で助かったのはSEGAのゲームに詳しかった事で、いろいろマニアックな台詞を足してくれたりとかもしてます。あと著莪と白梅のあたりも面白く描いてくれました。そして、アクションシーンのコンテはこちらで結構書き直してしまったので

責任をとる意味で「アクションシーンの原画、面倒みるよ!」

というわけでした。つまりそれが「アクション演出」のクレジット表記になったわけです。100カット近くアクションシーンの原画がこちらにまわされて、直しまくったり、原画足しまくりました。それはもうコンテ作業に疲れ気味だった時期だけに楽しかったですよ! 本当、アクションのラフを入れるのはなんのストレスもなくって、俺。あと著莪役の加藤英美里さん、元気でよかったですよね。自分的にはイメージにピッタリで狙いどおりでした。たぶんハマるだろうと思ってオーディションに呼んでもらったんです。『化物語』のキャラコメンタリーを聴いてて、とにかくその無性に元気でテンポのよい喋りが著莪に合うと思って(まあ、真宵ちゃんは小学生だったけど……)たんですね。そしたらオーディションの結果、プロデューサーの方々からも同意が得られて、決まった時は嬉しかったです。
 で#04用の著莪専用OPの話……。

(11.11.17)