板垣伸のいきあたりバッタリ!

第235回
楽しいレイアウト・チェック

 また新しいタイトルロゴを描いたところでようやく近況を……。ちなみにだいぶ前にも書いたように、この連載のタイトルロゴは13回分(1クール)ごとに新しく描きおこしています。——ま、誰にも期待されない事を律儀に繰り返すのが大好きな板垣の自己満足なので温くほっておいてください。
で、近況——と言っても作品内容に触れるのは次回以降にして、今回はサブタイどおりレイアウト・チェックについて。

現在、コンテの合間に部分的にレイアウト・チェックをしています!

 この「レイアウト」というのは本来、美術様へまわす「背景原図」とその上をキャラクター(セル)がここからここまで動く予定程度の「キャラのラフ」を描いたものである事はWEBアニメスタイルをご覧になられる方ならば知ってる人も多いかと思います。ところがこのレイアウトがここ10数年で、

原画の下描き——すなわち「ラフ原(画)」

へと変わっていきました。つまり現在のレイアウト・チェックというのは大半の場合、この「ラフ原(第一原画という時もあり)」をチェックする事を意味します。そして、ぶっちゃけこのラフ原のチェックというヤツは純粋なレイアウト・チェックよりはるかに大変なんです。なぜなら、

 分かりますよね? とにかく早い話時間がかかるんですよ、ラフ原のチェックは。そのおかげで演出チェック後のカットが作画監督さんにまわる頃には修正を入れる時間がなくなり、そのチェックを基にアニメーターさんが原画を起こして(清書して)きた時点では演出・作監ほとんど流し見で海外動仕へ! というのが当たり前なんですね、今。本来コレっておかしくって、レイアウトで大雑把な演出チェックを行えば、作監修正もしっかり入れる時間ができて丁寧に原画を描けるわけなんですけどね。実際最初の演出チェックで時間をかけ過ぎて原画を描く時間がなくなり、海外に二原(清書)がバラまかれて、ギャラが「ラフ原までの支払い」——ま、だいたい半額……になってしまう事もかなりありますし。個人的には正規のレイアウト・チェックに戻ってほしくもあるのですが、逆にラフ原・チェックシステムのよい部分があるのもまた事実……。それは、

最初のチェック段階で細かなアクションやタイミングもチェックできるので、堅実に素早くチェックを行えば質管理がしやすい部分もなくはない!

というトコです。——だから、いきなり締めにかかりますが、

アクションシーンのラフ原・チェックはまったくストレスありません!
楽しいっ!

(11.09.22)