板垣伸のいきあたりバッタリ!

第177回
これからカッティング
行ってきます!!

 最近『けいおん!!』を観てます。いいですね! 何か、夢の学生生活を追体験できる感じで……。聞けばこの作品、男性ファンだけでなく女性ファンが多いらしいとの事ですが、全然納得。『君に届け』観てもそう思いましたが、アニメの世界の女の子がありとあらゆる露出コスチュームとツンデレを経て、ようやく「普通の女の子」として描かれるようになって、それに現実の女性が共感できてるってんじゃないでしょうか? ま、自分はアニメの世界の女の子描くのも好きですけどね。

でも、今は漢の中の漢の『戦国BASARA弐』でクタクタ

です。2本コンテ・演出をやってる話数と話数の間が短ければ短いほど、その2本が同時進行で作業が重なるわけだから、とーぜん悲鳴を上げるワケ。今週原画チェック出し切りの中、次の話数のレイアウトが上がってくるとかですから。が、これは本当はあたりまえの話なんです。業界人ではない方は(意外にアニメーターの方とかでも)知らないかもしれませんが、いわゆるアニメの演出、

1本きりでは普通の生活できません!

だいたい1本(1話分)に関わる期間はコンテで3週〜1ヶ月、(演出)処理で2〜3ヶ月(シリーズ末期だと1ヶ月ちょい……)です。で、具体的な数字は出しませんが、コンテ1本で1ヶ月食えないし、処理1本ではギリギリ1ヶ月食える(?)くらい。だから、いっぱしの大人の男(家や車買って子供を育てる)の生活ができてる演出家の方たちは、そーとーアレコレかけ持ちしてるんです、事実。自分は作家よりもそーゆーカッコいい演出家になりたいと思うし、さらに実は、

時間がなければよい演出ができない事ないし、
時間がない方が鋭い演出ができる場合もある!

んです、これが。昔、テレコムで大塚(康生)さんが、

3秒のカットは3秒で描け! 3秒のカットを3週間もかけて描いたら現実の3秒カットとは違ったモンになる

と言ってましたが、これ演出でも同じだと思います。で、

今はモーレツに時間がないっ!

 これからカッティングなので、スミマセン。ここまで!

(10.07.22)