板垣伸のいきあたりバッタリ!

第164回
ジョーの生き方と迷い猫



 前回『迷い猫オーバーラン!』が始まって書きそびれちゃったので書いときました。「ジョー」のマンガ・アニメが最高なのはもちろんなんだけど、“矢吹丈という生き方”にも板垣はかなり痺れてるんです。1970〜80年では男なら誰でも憧れたと思うんですが、自分はいまだに“ジョーのように生きたい”! 何か、20年以上そう思ってるせいかアニメの仕事においても

失敗や恥をかくのって怖くない!

んです。もともと自分は「天才なんとかクリエイター」ではありません。失うモノなんて何も思いあたらないし、地位だの権威だのに(もしかしたら金などにも)こだわらなきゃ行動できない天才さんたちの気持ちも本当に分からないんです。もしかして失敗するかもしれない仕事に飛び込んでおもいっきりもがき苦しむ——のが楽しいんです。だから基本、俺、仕事は断りません。スケジュールが合う限り、どんなジャンルでもやります。もしかして、仕事がこなくなっても自主制作でフィルム作ると思うんです。なぜなら、

ジョーだってリングは選ばなかったんだもん!

と、すぐジョーを思う始末。で……

次の「リング」が決まったわけです!

『BLACK CAT』のプロデューサー・篠崎様より電話で

「ちょっとヤンチャな企画で監督頼みたいんだけど〜」

と。去年後半『化物語』OP、『戦国BASARA』OVA、『はなまる幼稚園』EDとバババッて埋まったスケジュールの最後が『迷い猫オーバーラン!』でした。「ジェネオンさんとは『この醜〜』以来かあ〜」などと思いつつ、お引き受けしました。ちなみにその頃、同じく『BLACK CAT』の矢吹(健太朗)さんといつものように「最近どう〜?」なメールのやりとりをしてた時、自分が「こんど美少女モノのラノベのアニメ化をやるんだよね〜」とメールしたら、矢吹さんからこう返信されました。

「自分も今度、ラノベ原作のコミカライズの話がきてるんですよ」

 で、以下次週へ。ゴメンナサイ。まだ今週は書けない事が多いんです。

(10.04.15)