ニュースで振り返るアニメ界2010
新しい動きと悲しい知らせに揺れた年

 今年の更新もこれで最後。振り返ってみると、様々なニュースに揺れた1年だった。
 停滞する経済状況の中、アニメもまた以前のような好況を謳歌するわけにはいかなくなっている。そんな中でも、「アニメノチカラ」のような果敢な試み、『けいおん!!』『デュラララ!!』のようなヒット作、『おまえうまそうだな』のような佳品など、これからを期待させる動きがいくつかあった。小規模公開での劇場作品が次々現れ、またOVAの先行イベント上映など、従来の公開形態とは異なる道を模索する動きも多く現れている。
 一方、大きな訃報に揺れた年でもあった。ベテランから中堅まで、多くの名のある方々が、この世を去られている。中でも今 敏監督の死は、次回作の制作途上ということもあり、衝撃を持って伝えられた。また、『宇宙戦艦ヤマト』で一時代を築いた西崎義展プロデューサーの訃報も、昨年は『復活篇』を公開し、健在ぶりをアピールしていただけに驚きである。本誌としてはお世話になった首藤剛志氏の急逝も忘れられない。
 不況に訃報と暗いニュースが多かっただけに、来年は明るい話題の多い年になることを切に望みたい。

●1月

▼【TV】アニメノチカラ枠スタート(4日)

 テレビ東京とアニプレックスが送り出すオリジナルTVアニメ制作プロジェクトとして話題を呼ぶ。『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』『閃光のナイトレイド』『世紀末オカルト学院』の3作品が放映された。

▼【出来事】『刀語』映像や制作資料が流出(5日)

 ノンテロップのOP映像や設定資料、絵コンテ、シナリオ、はては没シナリオまで流出。7日、制作会社WHITE FOXは代表取締役・岩佐岳名義で、流出があったことを正式に認めた。FTPサーバーに対する不正アクセスがあったためだという。

▼【TV】『デュラララ!!』放映開始(7日)

 成田良悟の小説のアニメ化。池袋を舞台に、若者達の抗争劇を、虚実入り乱れ描く。女性ファンを中心に大ヒット作となった。

▼【TV】『ちびまる子ちゃん』放映20周年(10日)

 この日の放映で、1990年の第1期放映から数えて、20周年を迎えた。

▼【ビジネス】TYOグループ統合へ(14日)

 TYOは、傘下の主な子会社をすべて吸収合併、TYOグループの統合を図ることを発表。ただし、12月現在、TYOアニメーションズはいまだ統合に至っていない。

▼【訃報】田の中勇(13日)

 声優。77歳。心筋梗塞のため。『ゲゲゲの鬼太郎』全シリーズで一貫して目玉おやじ役を務めた。他に『魔法のプリンセス ミンキーモモ[第1作]』のシンドブックなど。放映中の『マリー&ガリー』ではダ・ヴィンチ役を務めていた。

▼【訃報】郷里大輔(17日)

 声優。57歳。この日の日中、中野区の路上で腕から血を流して死亡しているのを通行人が見つけた。自殺と見られる。野太い声で、男らしい役柄を演じることが多かった。代表作に『キン肉マン』のロビンマスク、「機動警察パトレイバー」シリーズの山崎ひろみなど。

▼【イベント】毎日映画コンクール発表(20日)

 アニメーション映画賞が『サマーウォーズ』に、大藤信郎賞が「『電信柱エレミの恋』の立体アニメ表現の完成度に対して」贈られる。

▼【TV】『親子クラブ』1500話放映(27日)

●2月

▼【ビジネス】バンダイナムコHD、映像音楽事業とゲーム事業を統合(1日)

 バンダイナムコゲームス、バンダイビジュアルの大量のリストラを発表。さらに、4つあった事業部門のうち、ゲームコンテンツ事業部門と映像音楽コンテンツ事業部門を4月より、コンテンツ事業部門として統合する事を発表した。

▼【イベント】第13回文化庁メディア芸術祭開幕(2日)

▼【TV】『名探偵コナン』辻真先が脚本執筆(6日)

 この日放映の565話「見てない目撃者」の脚本を大ベテラン・辻真先が執筆。577話「ホタルが灯した真実」も引き続き執筆。2011年にも執筆の予定があるという。

▼【劇場】『涼宮ハルヒの消失』(6日)

 人気シリーズの初劇場版公開。上映時間は163分で、単独の作品としては、2010年12月現在、おそらく日本アニメ史上最長の劇場アニメである。

▼Newtype300号(10日)

 角川書店の発行する“THE MOIVING PICTURES MAGAZINE”Newtype誌がこの日発売で300号を迎えた。さらに翌4月号で25周年を迎えている。

●3月

▼【イベント】日本アカデミー賞発表(5日)

 最優秀アニメーション賞に『サマーウォーズ』が選ばれた。

▼【劇場】劇場版ドラえもん30周年(6日)

 この日公開の『映画 ドラえもん のび太の 人魚大海戦』で劇場版「ドラえもん」シリーズは30周年を迎えた。

▼【イベント】第4回声優アワード発表(6日)

 主演男優賞に小野大輔、主演女優賞に沢城みゆきが選ばれた。功労賞には玄田哲章、杉山佳寿子、田中信夫が、特別功労賞には故・高橋和枝が選ばれている。

▼【出来事】アニメディア大判化(10日)

 創刊以来のA4判からA4ワイド判に。主要3誌が同サイズとなる。

▼【ビジネス】円谷プロ、フィールズの子会社に(17日)

 パチンコ機販売大手のフィールズが、円谷プロダクションの株式51%を取得し、子会社化。残りの49%はバンダイが保有する。同社は「CR新世紀エヴァンゲリオン」などを手がける大手パチンコ機器販売会社。

▼【OVA】『機動戦士ガンダムUC』ブルーレイ発売(17日)

 初動5万6000枚。「ガンダム」シリーズの根強い人気を印象づけた。

▼【イベント】フジテレビ短編アニメ大賞発表(23日)

 大賞は戸松義幸の『チョコレートのウサギ パルピー』に。

▼【イベント】TAF開幕(25日)

 東京国際アニメフェア2010が開幕。28日までの来場者数が実行委員会の発表で13万人を超え、過去最高を記録した。

●4月

▼【出来事】「コンピューターおばあちゃん」映像手直し(2日)

 『みんなのうた』の著名作「コンピューターおばあちゃん」の映像に「風景・人物などの連続映像(全体で15秒程度)の中に、女性のおしり・胸・下着姿の写真がそれぞれ約0.1秒ずつ3カット含まれて」いたとし、当該部分を手直しするとNHKが発表した。

▼【出来事】ロッテCMで涼宮ハルヒ達が生田斗真と競演(5日)

 ロッテのミントガム・ACUOのCM「ブティック編」で、「涼宮ハルヒ」シリーズのキャラクターが俳優・生田斗真と競演した。生田に息を吹きかけられると、実写の人物が次々とアニメのキャラクターである朝比奈みくる、涼宮ハルヒ、長門有希になってしまう、という内容。

▼【訃報】井上ひさし(9日)

 肺がんにより死去。75歳。日本を代表する劇作家の一人。放送作家として文筆活動を始め、次第に小説や劇作に活躍の場を移した。放送作家時代の代表作に山元護久、宇野誠一郎らと組んだ「ひょっこりひょうたん島」がある。アニメでも両人と組んだ『長靴をはいた猫』の脚本のほか、『ひみつのアッコちゃん』『ムーミン』『アンデルセン物語』の作詞など、印象的な仕事を残している。

▼【ビジネス】文化庁が人材育成事業に資金提供(29日)

 「平成22年度若手アニメーター等人材育成事業」と銘打ち、文化庁が資金を提供。日本アニメーター・演出家協会が業務委託を受け、公募を実施。6月16日に4社の企画の採択が発表された。

●5月

▼【出来事】ダップインターナショナル、脱税容疑で起訴(13日)

 さいたま地検はダップインターナショナルと同社の小林治社長を脱税の罪で起訴。同社は亜細亜堂の子会社。報道によると外注費を水増し計上するなど虚偽の申告をして法人税約4800万円を脱税したという。のち8月31日に解散を決議するに至っている。

▼【TV】『閃光のナイトレイド』7話、ネット配信のみ(18日)

 TV放映は行わず、かわりに特別編を放映した。理由について、製作サイドは「詳しく語る事ができない」「制作が間に合わなかったわけではありません!」と表明。

●6月

▼【ビジネス】アイジー、タツノコプロ株取得(2日)

 株式会社プロダクション・アイジーは株式会社竜の子プロダクション株式11.2%を取得し、あわせて同社代表取締役石川光久がタツノコプロの非常勤取締役に就任することを発表。

▼【出来事】「アライブ」アニメ化中止(5日)

 「アライブ 最終進化的少年」は月刊少年マガジンで連載されていた人気作。2008年にアニメ化告知がなされたが、この日編集部より、正式に断念する旨の告知がなされた。編集部によれば、「アニメーション制作を担当する予定であった株式会社ゴンゾが上場廃止という不測の事態に陥り、先年より制作が停止されておりました。その後もアニメ化に向け最大限の努力を致して参りましたが、残念ながら実現には至りませんでした」という。

▼【ビジネス】経産省「クール・ジャパン室」設置(8日)

 経済産業省は製造産業局にクール・ジャパン室を設置したと発表した。日本のデザイン、アニメ、ファッション、映画等の文化産業を戦略分野と位置づけ、海外進出促進、国内外への発信や人材育成等について、政府横断的な施策の企画立案と推進を目指す、としている。

▼【ビジネス】ジーベックが制作費未回収(18日)

 IGポートは子会社ジーベックが受注した劇場アニメの制作費がいまだ未払いで回収できないおそれがあるとして、この日、1億4600万円の特別損失を計上すると発表。11月1日、今度はそのうち9000万円を回収したとして特別利益を計上するに至った。

▼【訃報】木村京太郎(23日)

 58歳。読売広告社のプロデューサー。『おそ松くん』や東映の不思議コメディーシリーズのプロデューサーとして知られる。

▼【劇場】『宇宙ショー へ ようこそ!』公開(26日)

 A-1pictures初の劇場作品にして、舛成孝二初劇場監督作品。しかもオリジナルという意欲作。

▼【TV】『ちびまる子ちゃん』とも蔵役が交代(27日)

 『ちびまる子ちゃん』でまる子の祖父・とも蔵を演じる青野武が脳梗塞で入院。それにともない、島田敏に交代した。青野は5月末に解離性大動脈瘤の手術のため入院、術後に脳梗塞と診断されたという。

▼【イベント】大藤信郎展開催(29日)

 東京国立近代美術館フィルムセンターにて、「アニメーションの先駆者 大藤信郎」と題した回顧展示・上映が開かれた。大藤は戦前から戦後にかけて活躍した日本のアニメーション界の草分け的人物の1人で、毎日映画コンクールの大藤賞にその名を残す。この展示は同センター初の回顧展で、開館時に遺族より寄贈された貴重な資料の数々が初めて展示された。

●7月

▼【出来事】『B型H系』に脅迫状(2日)

 『B型H系』の公式サイトに「重要なお知らせ」とする告知が掲載。制作会社や脚本家に繰り返し脅迫状が届いている事を明らかにした。作品内容・表現の改変を求め、応じない場合は制作会社、脚本家に対して危害を加えることを表明しているという。製作委員会では、警察に捜査を依頼しているとの事。

▼【TV】『鋼の錬金術師[新]』最終回(4日)

 近年のTVアニメには珍しく1年を超えるシリーズに。前作と異なり、原作に準拠した展開を見せた。

▼【出来事】いまむらのりお逮捕(12日)

 舞台俳優で『ONE PIECE』のイワンコフ役を務める、いまむらのりおが、わいせつ図画陳列の疑いで逮捕された。

▼【訃報】山浦栄二(13日)

 サンライズの創業メンバーの1人。現在の称号になった1987年よりバンダイ傘下となった1994年まで社長を務めた。

▼【出来事】動画共有サイトに未放映アニメが大量アップ(14日)

 動画共有サイトに『世紀末 オカルト学院』『HEROMAN』『FAIRYTALE』『NARUTO疾風伝』の未放映話数が多数アップされた。いずれもテレビ東京系で放映されている番組。

▼【訃報】水鳥鐵夫(14日)

 71歳。病気療養中であったという。

▼【出来事】1/1ガンダム静岡で公開(24日)

 2009年にお台場で公開され話題を呼んだ1/1ガンダムを、静岡市が誘致。JR東静岡駅北口市有地にて、期間限定公開。新幹線の車窓からも眺められると話題に。

▼【OVA】『ブラック★ロックシューター』公開(24日)

 ネット上のイラストから始まった、アニメ企画。DVDを店頭・イベントで無料配布、模型誌、アニメ誌等の付録でつけるなど、頒布展開が話題となった。

▼【出来事】神奈延年にいやがらせ、女性逮捕(27日)

 声優の神奈延年のブログに不正にアクセスし嫌がらせの書き込みをしたとして、千葉県警は横浜市在住の女性を逮捕。女性は神奈とかつて交際しており、気をひこうとしてやったという。

●8月

▼【イベント】第13回広島国際アニメーションフェスティバル開幕(7日)

 第1回より25年を数える記念の大会となった。

▼【訃報】川本喜八郎(23日)

 85歳。肺炎により。日本を代表する人形アニメーション作家で、数々の受賞歴を誇る。日本アニメーション協会名誉会長を務めていた。

▼【訃報】今 敏(24日)

 マンガ家・アニメーション演出家。46歳。膵臓がんのため。次回作『夢みる機械』の制作途上であった。マンガ家の傍ら、アニメ制作にスタッフとして参加。『PERFECT BLUE』で監督デビュー。緻密な画面作りと現実と虚構が入り乱れる作風で知られ、特に海外で高く評価された。

▼【訃報】山内昇寿郎(24日)

 脳梗塞のため。アニメーターとして、オープロダクション、テレコム、ぎゃろっぷ等で活躍。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』ではキャラクターデザインも務めた。

▼【ビジネス】グループ・タックが準自己破産(31日)

 グループ・タックは『まんが日本昔ばなし』『タッチ』等の制作で知られる。1968年設立。代表の田代敦巳が7月に死去していた事も明らかになった。

▼【訃報】内山正幸(31日)

 心不全にて。58歳。ネオメディア出身、ラストハウス所属。東映動画(現・東映アニメーション)を中心に活躍した。

●9月

▼【TV】『けいおん!!』最終回(29日)

 第1期に続いて大ヒット。この日の放映で劇場版の製作が告知された。

▼【ビジネス】AICがオーイズミ傘下に(30日)

 パチスロ機器メーカーのオーイズミが、AIC株式の95%に当たる株を投資ファンドから5億3000万円で取得。

▼【ビジネス】角川書店、角川映画との合併を発表(30日)

 翌2011年1月1日より両社を統合することが発表された。

●10月

▼【出来事】コロムビアミュージックエンタテインメント100周年(1日)

 1910年10月1日に日本蓄音器商会として創業。日本コロムビアの社名で長く親しまれた。戦後歌謡界で一時代を築いたのみならず、アニメ・特撮・童謡のジャンルでも大きな位置を占めた。

▼【ビジネス】シンエイ動画、テレビ朝日の100%子会社に(15日)

 6日にテレビ朝日が発表。すでに同社は、2009年4月にシンエイ動画への出資比率を90%と大幅に上げ、連結子会社化していた。

▼【劇場】『おまえうまそうだな』公開(16日)

 人気絵本を原作とした劇場長編。亜細亜堂を代表するアニメーター・藤森雅也が初監督を務め、佳品に仕上げた。藤森は2011年春の劇場アニメ『忍たま乱太郎』の監督も務める。

▼【訃報】本橋浩一(26日)

 骨髄異形成症候群のため。80歳。日本アニメーションの社長として、数々の作品に関わる。

▼【訃報】首藤剛志(29日)

 脚本家。くも膜下出血のため。61歳。前日に奈良駅の喫煙所で倒れているのを発見されたが、そのまま帰らぬ人となった。『戦国魔神ゴーショーグン』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『アイドル天使 ようこそようこ』などで原作・シリーズ構成等を務め、アニメファンから熱い支持を集めた。WEBアニメスタイルでもコラムを長期に渡り連載。

▼【訃報】長崎重信(29日)

 アニメーター。スタジオNo.1、オープロダクションで活躍。大腸がんのため。57歳。

▼【訃報】野沢那智(30日)

 肺がんのため。72歳。アラン・ドロンなどの吹き替えで知られる声優・俳優。海外TVドラマ「0011 ナポレオン・ソロ」のイリヤ・クリヤキン役で一躍人気を博す。1967年より1982年までTBSラジオ「パック・イン・ミュージック」のDJを白石冬美と務め、「ナッチャコパック」の愛称で親しまれた。アニメでは『悟空の大冒険』の三蔵法師、『スペースコブラ』のコブラ、『ベルサイユのばら』のフェルゼン、『いじわるばあさん[新]』の伊知割イシ、『HELLSING』のアンデルセンと、腺病質から美男子まで様々な役柄を演じている。

●11月

▼【訃報】西崎義展(7日)

 75歳。本名・西崎弘文。小笠原・父島で、過って船から転落、溺死した。虫プロ商事等を経て、音楽制作・企画プロデューサーとして活躍。『宇宙戦艦ヤマト』で一時代を築く。代表作は他に『海のトリトン』『ワンサくん』『メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行』等。劇場『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』では総監督も務めた。数々の事件でも社会を騒がせた。

▼【出来事】長濱博史ら、ビヨンセを提訴(24日)

 長濱博史とマーベラスエンターテイメントは、CDジャケットにアニメ用の絵コンテが無断使用されたとして、歌手ビヨンセとソニー・ミュージックジャパンインターナショナルに販売差し止め等を求め、東京地裁に提訴。この日、第1回口頭弁論が開かれた。

▼【出来事】速水奨宅に包丁を送りつけ逮捕(28日)

 声優の速水奨宅に包丁を送りつけた容疑で46歳の女性が再逮捕。速水奨の養子で同居する長男(声優の速水秀之)を脅迫した疑い。女性は速水のファンクラブの会員で、別の事件ですでに逮捕・起訴されていた。

▼【訃報】飯田馬之介(26日)

 49歳。肺がんのため。飯田馬之介(つとむ)はアニメーター・演出家・漫画家として活躍。代表作に『デビルマン 誕生編』『おいら宇宙の探鉱夫』『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』等がある。

▼【訃報】永樹凡人(27日)

 演出家、アニメーター。別名・ながきふさひろ。貸本マンガ家として活躍した後、東映動画を経て、ハテナプロの設立に参加。近年は『サザエさん』で活躍していた。

●12月

▼【出来事】「SPACE BATTLESHIP ヤマト」公開(1日)

 『宇宙戦艦ヤマト』を原作にした劇場実写作品が公開。大ヒットスタートを切った。

▼【ビジネス】マーベラス、アートランドを分離(1日)

 マーベラスが子会社のアートランドを分離。

▼【ビジネス】トムス完全子会社に(1日)

 トムス・エンタテインメントは株式交換を行い、セガサミーホールディングスの完全子会社に。すでに11月26日に上場を廃止している。

▼【出来事】NHKの過去番組をYoutubeで配信(6日)

 NHKエンタープライズとGoogleは、Youtubeに専用サイトを設けて動画配信を始めた。NHKが過去に放映した作品を無料で流すもので(一部は抜粋)、『みんなのうた』『カスミン』等アニメも複数含まれる。

▼【TV】『銀魂』第2期決定(8日)

 この日発売の「週刊少年ジャンプ」にて、『銀魂』の2011年4月からの再アニメ化が発表。

▼【イベント】文化庁メディア芸術祭発表(8日)

 アニメーション部門の大賞に『四畳半神話大系』が選ばれた。

▼【出来事】コミック10社会、TAF参加拒否表明(10日)

 石原慎太郎知事が進める、東京都青少年健全育成条例改正案に抗議して。知事はTAFの実行委員長を務める。コミック10社会はマンガ出版大手10社の親睦団体で、同会に参加している角川書店はすでに8日、出展中止を表明していた。都条例は15日可決。その後、日本動画協会から、21日、10社会の抗議を支持しつつ、来年のTAFの開催がこのままでは「実質的には実行不能な事態になる」と憂慮を示す声明が発表された。

▼【訃報】渡部猛(13日)

 声優・俳優として活躍。74歳。肺がん治療中、肺炎により。近年では『NARUTO疾風伝』のガマブン太等がある。

▼【劇場】ジブリ、来夏の新作『コクリコ坂から』発表(15日)

 高橋千鶴の原作の少女マンガを宮崎吾朗監督で劇場映画化。企画・脚本は宮崎駿(共同脚本・丹羽圭子)。2011年夏公開予定。

▼【劇場】『劇場版 イナズマイレブン』公開(23日)

 『劇場版 イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来』が公開。一般公開される立体視劇場作品としては、おそらく国産初の60分超えの長編。

▼【イベント】アニメコンテンツエキスポ発表(28日)

 TAFへの出展を見合わせる企業を中心に、TAFと同日、幕張メッセにて「アニメコンテンツエキスポ」と題するイベントの開催が発表された。

(10.12.28)