ニュースで一望するアニメ界2008
ヒット作・話題作からトラブルまで

生活実感とはかけ離れつつも経済指標は上昇を示していた前半期から一転、米国経済の危機に端を発する経済不況の波が国内にも押し寄せている。これまで世の中の景気とはむしろ反比例する傾向にあったアニメ界だが、今度ばかりはそうはいかないかもしれない。金融自由化の波とともに急速な成長をとげたGDHが大きな赤字を出したのは象徴的だ。TVアニメに話題作・ヒット作が多かったのも今年の特徴だろう。『コードギアス 反逆のルルーシュR2』『マクロスfrontier』『機動戦士ガンダム00』とアニメファン向けのオリジナル作品が気を吐く一方、『墓場鬼太郎』『のだめカンタービレ 巴里編』とより広い視聴者層を意識したノイタミナ枠の健闘が目を引く。劇場アニメでは宮崎駿の4年ぶりの長編『崖の上のポニョ』が期待どおりの大ヒットとなった。プレイステーション3へのネット配信という形態をとった『忘念のザムド』や、単館劇場連続興行という異例の形態で成功を収めた『空の境界』など、従来とは異なる発表形態を探る試みも続いている。次世代DVDの規格競争に決着はついたが、果たして次世代規格にうまく移行できるのかは予断を許さない。若い世代では録画をせず、ネット配信を中心にアニメを見ている人達も多くなっている事だろう。アナログ停波が間近に迫る中、これまでのアニメの視聴形態、ひいてはアニメそのものが大きな変化を迫られているに違いない。

●1月

▼【TV】一迅社3作品が変則放映(5日)

 『破天荒遊戯』『BUS GAMER』『あまつき』の3作品が2クール枠で放映。それぞれ10話、3話、13話という変則的な構成となった。

▼【TV】『【俗・】さよなら 絶望先生』放映開始(6日)

 本誌編集長が初めてシリーズ構成を担当。

▼【TV】『墓場鬼太郎』放映開始(11日)

 「ノイタミナ」枠で『ゲゲゲの鬼太郎』の原点ともいえる『墓場鬼太郎』がTVアニメ化。深夜帯としては異例の高視聴率を記録。ちなみに今年は『ゲゲゲの鬼太郎』TV放映から40周年という節目の年。

▼【TV】『ヤッターマン』放映開始(14日)

 タツノコプロの人気作『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』が29年ぶりに復活。 キー局はフジテレビから読売テレビになるも、所謂三悪とドクロベエ役はかつての名 優達がそのまま登板した。10月より『名探偵コナン』とあわせて「アニメ☆7」と名 付けた1時間枠となっている。放映休止が多く、新聞にもそれを指摘する投書が掲載 された。

▼【訃報】鳥海尽三(17日)

 脚本家。肝臓がんのため死去。78歳。タツノコプロで、数多くの企画を手がける。代表作に『科学忍者隊ガッチャマン』など。

▼【イベント】毎日映画コンクール・アニメーション映画賞に『河童のクゥと夏休み』(18日)

 第62回毎日映画コンクール受賞作が発表。アニメーション映画賞に『河童のクゥと夏休み』、大藤信郎賞に『カフカ 田舎医者』が選ばれた。

●2月

▼【ビジネス】スタジオジブリ社長交代(1日)

 スタジオジブリの新社長に、ウォルト・ディズニー・ジャパン前会長の星野康二が就任。前社長の鈴木敏夫はそのまま、代表権を持つ代表取締役プロデューサーとなった。

▼【TV】『銀魂』92話中にお詫びと訂正(7日)

 75話にて、「予算は○○の半分以下」と嘆いていた『銀魂』だが、この日の放送中で、“水島監督から抗議があった。○○とは『ガンダム』のことではない”とのお詫びと訂正があった。

▼【出来事】サンテレビが『シゴフミ』第6話を放送休止(13日)

 『シゴフミ』第6話は、学校でのいじめと匿名掲示板の存在とを絡めて扱ったエピソード。

▼【訃報】市川崑(13日)

 肺炎により死去。92歳。日本を代表する映画監督の1人。ディズニーにあこがれ、アニメーション分野から映画人生をスタートさせた事は有名。劇場アニメ『銀河鉄道999』では監修を務めている。

▼【ビジネス】次世代DVD規格に決着(19日)

 東芝がHD DVD事業から撤退することを正式に表明。次世代DVD規格は、Blu-ray Discに事実上一本化。『マクロスfrontier』など、アニメ作品のBlu-rayの発売が積極化した。

●3月

▼【訃報】広川太一郎(3日)

 声優。がんのため逝去。68歳。ロジャー・ムーア、トニー・カーティスなどの2枚目役や、ダジャレを多用した軽妙な吹き替えで知られる。アニメでは『ムーミン[第1作・第2作]』のスノーク、『キャプテン フューチャー』のキャプテンフューチャーなどが有名。

▼【イベント】第2回声優アワード(3日)

 主演男優賞に宮野真守、主演女優賞に平野綾が選ばれた。このイベントは、その年最も印象に残る声優を顕彰する目的で関係各社が協力して開催している。

▼【訃報】左近允洋(10日)

 偽膜性腸炎で死去。76歳。さこんじょう・ひろしと読む。音響ディレクターの草分けとして「刑事コロンボ」などの音響演出を担当。アニメでは『さすらいの太陽』『あしたのジョー』などを手がける。妻は声優の麻生美代子。

▼【出来事】上井草駅前にガンダム像(23日)

 サンライズの地元、東京都杉並区の西武新宿線上井草駅前に高さ約3メートルのブロンズ製の機動戦士ガンダム像が登場。同駅の発車メロディもこの日から「翔べ!ガンダム」となる。この日行われた除幕式には、富野由悠季総監督も現れた。

▼【イベント】東京国際アニメフェア2008開幕(27日)

 アニメーション・オブ・ザ・イヤーには『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が選ばれた。

●4月

▼【TV】『マクロスfrontier』放映開始(4日)

 オープニングテーマのシングルやサウンドトラックアルバムがオリコンで上位にランクインするなどヒットを記録した。

▼【TV】『コードギアス 反逆のルルーシュR2』放映開始(6日)

 昨年最大の話題作の続編が登場。時間帯を深夜から日曜夕方に移してのスタートとなった。

▼【訃報】川内康範(6日)

 作詞家・作家。88歳。数多くのヒット曲、映画、TVドラマの原作・脚本を手がける。特に「月光仮面」の原作者として有名。『まんが日本昔ばなし』の監修も務めた。

▼【TV】『ファイアボール』放映開始(7日)

 『ファイアボール』はディズニーがジーニーズアニメーションスタジオと組んで、日本国内向けに製作したアニメ。東映アニメーションと『ロボディーズ 風雲篇』を、マッドハウスと『スティッチ!』を製作するなど、同社は今年、日本国内向けのTVアニメシリーズ製作に本格的に乗り出した。

▼【訃報】オリー・ジョンストン(14日)

 アニメーター。95歳。ディズニー黄金期を支えた、所謂「ナイン・オールドメン」の最後の1人だった。「生命を吹き込む魔法 The Illusion of Life」の著者の1人。

▼【出来事】『コードギアス 反逆のルルーシュR2』3話の一部が放映前に流出(15日)

 放映前に許可なく、3話の後半6分ほどの映像が画像共有サイトにアップされ、大きな話題となる。違法アップを防ぐ手続きにおいてミスがあったためと説明された。

●5月

▼【訃報】岡田敏靖(9日)

 アニメーター。63歳。『DALLOS』『エリア88』でキャラクターデザインを務める。

▼【出来事】『かのこん』7話について一部配信元が配信中止(21日)

 GyaOが配信中止を決定し、「第7話以降に倫理規定を超えた表現があり、バンダイチャンネルと協議を行いまして、第8話以降の公開は中止させて戴きます。ご了承くださりますようお願い致します」と告知。ビッグローブは第7話以降を有料配信に切り替えた。同作は「少女2人が繰り広げる“寸止め”エロコメディ」とのキャッチコピーをもち、4月30日付けの公式サイト告知では、「かのこん製作委員会は……DVD商品……の映像表現基準(以下、寸止め基準)について、一部緩和することを合意いたしました」としていた。

▼【出来事】『ジョジョの奇妙な冒険』一部出荷停止に(22日)

 OVA「Adventure 6 —報復の霧—」でコーランの一部が描かれており、さらに原作・アニメでモスクの描写にも不適切な表現があったとして、集英社とA.P.P.P.がお詫びを発表。当該アニメと原作の一部の出荷を停止すると決めた。舞台がアラビア圏であったため、アラビア語の文章を探していたスタッフが「コーラン」の一部という認識を欠いたまま転写したという。

▼【ビジネス】GDH37億の赤字(30日)

 この日の決算発表でGDHの大幅赤字が明らかとなった。上場基準に抵触することから、東証マザーズは6月30日に「債務超過に係る猶予期間入り」を告示。9月10日には、いわかぜキャピタルによるTOB(公開買い付け)が発表され、増資が行われた。続く11月10日の中間決算で、GDHはアニメ製作ラインを絞り込むと発表、同月28日には、グループから200名の希望退職者を募ることを明らかにした。

●6月

▼【その他】アニメージュ創刊30周年(10日)

 7月号(第31巻7号)で1978年創刊より30周年を迎えた。

▼【イベント】『つみきのいえ』がアヌシーで受賞(14日)

 この日まで開かれていたアヌシー国際アニメーションフェスティバルで、加藤久仁生の短編『つみきのいえ』が最高賞に選ばれた。日本の監督の最高賞受賞は、2003年の山村浩二監督「頭山」以来。加藤監督は映像製作会社「ロボット」の所属で、「つみきのいえ」は同社が製作した。主な作品に「或る旅人の日記」がある。

▼【ビジネス】集英社が小学館プロに出資(17日)

 集英社と小学館は17日、小学館プロダクションに集英社が資本金の3%を出資し、社名を「小学館集英社プロダクション」に変更すると発表した。今後は、集英社作品の映像化も同社が手がけ、両社作品の映像化の窓口を一本化していくという。

●7月

▼【ビジネス】東映アニメーションが組織改編(1日)

 営業本部制度を敷き、企画開発、コンテンツ事業、版権管理などを一元化。企画営業本部長には森下孝三が就任。企画部長であった清水慎治がスーパーバイザーに退き、関弘美が企画部長兼映画室長となった。

▼【出来事】声優への「殺人予告」で逮捕(3日)

 インターネットの掲示板に水樹奈々とファンを「皆殺し」にすると書き込んだ容疑で、21歳の男性が逮捕された。秋葉原での殺傷事件を受け、ネット上でのこうした書き込みに警察が厳しく対処している時期だっただけに、比較的大きく報道された。

▼【出来事】ボンズの管理情報か? ネット流出騒動(6日)

 ボンズが管理しているアニメ関係者の個人情報を含むファイルがネット上に流れていると噂になったのを受け、この日同社は、南雅彦代表取締役の名義で「同様のフォーマットで管理している情報は存在せず、社内管理情報ファイルが流出したものではない」との社内調査結果を明らかにし、「第三者が誹謗中傷等を目的として作成・公開したもの」と判断、行為者を特定し、厳正な対応を行うと表明した。このファイルは6月下旬頃にアップされたもので、7月5日前後にボンズの内部情報ではという噂が大きく広まっていた。11月18日に明らかにされた調査経緯によると、行為者の特定には至らず、第三者の行いとしながらも関係者が関与した可能性は高いとして、迷惑料を支払うと発表。

▼【TV】『Mission E』放映開始(7日)

 作家・榊一郎が原案・シリーズ構成を務める『CODE E』の続編。OVA『STRAIT JACKET』総集編の劇場公開、『まかでみ WAっしょい!』の放映等、昨年に続き榊のアニメでの活躍が目立った。

▼【劇場】『崖の上のポニョ』公開(19日)

 宮崎駿監督の4年ぶりの長編がこの日公開。年末までに興行収入が150億を超える大ヒットとなった。あわせて主題歌も大きな話題を呼び、主題歌を歌った藤岡藤巻と大橋のぞみがNHK紅白歌合戦に出場する事に。

▼【イベント】スタジオジブリ・レイアウト展開幕(26日)

 毎夏お馴染みとなった東京都現代美術館のスタジオジブリ関連の展覧会。今夏のテーマはジブリおよび宮崎駿、高畑勲作品のレイアウトという非常にマニアックなものだったが、入場者は10万人を突破し、好評のうちに9月28日に閉幕した。

●8月

▼【劇場】『スカイ・クロラ』公開(2日)

 押井守監督の4年ぶりの長編劇場アニメが公開。

▼【訃報】赤塚不二夫(2日)

 マンガ家。肺炎により逝去。72歳。2002年に脳内出血で倒れ、意識が戻らないまま闘病生活を続けていた。トキワ荘出身の1人で、人気マンガ家として長年にわたり活躍。繰り返しアニメ化された作品だけでも『ひみつのアッコちゃん』『おそ松くん』『天才バカボン』と多数を数える。

▼【イベント】広島国際アニメーションフェスティバル開幕(7日)

 グランプリには山村浩二の『カフカ 田舎医者』が、ヒロシマ賞と観客賞に加藤久仁生『つみきのいえ』が選ばれた。

▼【出来事】『xxxHOLiC◆継』ドラマCD「事前了承なく引用」でお詫び(22日)

 『xxxHOLiC◆継』DVD限定版第2巻の特典CDにおいて、コントグループ・ラーメンズのコントから「事前に了承を得ることなく」「引用があった」と、製作委員会がお詫びを発表した。それよると「引用」したのは、ラーメンズ第14回公演のコント「いろいろマン」「金部」。ドラマCDの脚本は櫻井圭記が担当した。なお法律上、引用は事前に了承を得る必要はない。

▼【イベント】ヴェネチア国際映画祭開幕(27日)

 『崖の上のポニョ』と『スカイ・クロラ』の2作品がコンペ部門に正式招待され話題に。同映画祭は世界最古の映画祭として知られる。

▼【出来事】「となりの801ちゃん」アニメ化発表後、急遽中止(29日)

 この日、TBSのサイト上で「となりの801ちゃん」アニメーション制作が中止となるとの告知があった。「となりの801ちゃん」は、アニメ・マンガ・ゲーム好きの女性、いわゆる腐女子の日常を描いて話題となったWEB発のベストセラーマンガで、8月16、17日に行われたTBSアニメフェスタ2008にて、京都アニメーションによるTVアニメ化が発表されたばかりであった。

●9月

▼【TV】『BLEACH』エンディングがノンテロップのまま放映(3日)

 テレビ東京系で放映された『BLEACH』186話のエンディングがノンテロップのまま放映される珍事があった。なお6日のBS JAPANでの放映は通常通りテロップが流れた。

▼【イベント】第13回アニメーション神戸賞決定(24日)

 個人賞は磯光雄に、作品賞・劇場部門は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、作品賞・テレビ部門は『コードギアス 反逆のルルーシュR2』に贈られた。

▼【その他】『忘念のザムド』プレイステーションストアで配信開始(24日)

 『忘念のザムド』はボンズ制作のアニメ。プレイステーション3向けに新作アニメが独占配信されるのはこれが初めて。

●10月

▼【TV】『とらドラ!』放映開始(2日)

 J.C.STAFF制作の『とらドラ!』が放映開始。ヒロイン・大河役を務める釘宮理恵は、『ゼロの使い魔 双月の騎士』『灼眼のシャナII』『隠の王』『ゼロの使い魔 三美姫の輪舞』『とらドラ!』と同社制作作品に5期続けての主役登板となった。釘宮は、本年は他にも『銀魂』『BLEACH』『ハヤテのごとく! Hayate the combat butler』『レンタル×マギカ』『もっけ』『機動戦士 ガンダム00』『さぁイコー! たまごっち』『我が家のお稲荷さま。』『ロザリオとバンパイア』『同 CAPU2』『絶対可憐 チルドレン』『THE UNKNOWN GIRL FRIEND ケメコデラックス!』『鉄のラインバレル』『あかね色に染まる坂』海外アニメ『Ruby Gloom』等にレギュラー、セミレギュラーとして登場。八面六臂の大活躍をみせた。

▼【ビジネス】シンエイ動画、テレビ朝日の完全子会社に(2日)

 テレビ朝日はこの日、シンエイ動画を子会社として傘下に収める事を発表。同局は現在シンエイ動画の約14%を持っているが、来年4月1日に実施する第三者割当増資を引き受け、株式の90%を取得する見込み。

▼【TV】『天体戦士サンレッド』放映開始(4日)

 原作が川崎市溝の口を舞台としていることもあり、地上波では神奈川県のローカル局tvk1局での放映。関東地区以外のご当地アニメ番組は例があるが、関東地区では珍しい。

▼【TV】秋の新番組でカードバトルものが4作同時放映(5日)

 この日、『ライブオン CARDLIVER 翔』が放映スタート。既放映の『遊☆戯☆王ファイブディーズ』『デュエル・マスターズ クロス』、9月開始の『バトルスピリッツ 少年突破バシン』とあわせ、カードバトルアニメが4作品に。

▼【劇場】『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』来夏公開(6日)

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』第2弾の公開が来年夏と発表。なお第1作『序』のDVD特装版は今年のオリコンのDVDランキング年間3位にランクインしている。

▼【その他】劇場版『クレヨンしんちゃん』実写でリメイク(6日)

 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』の劇場実写作品へのリメイクが発表。タイトルは「BALLAD 名もなき恋のうた」となり、戦国時代の武将と姫の悲恋に焦点をあてるという。「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴が監督を務め、テレビ朝日とROBOTが製作する。

▼【TV】『美肌一族』放映開始(7日)

 『純愛コスメティックアニメ 美肌一族』が「週刊 美肌一族」という通販番組の1コーナーとして放映スタート。通販番組とアニメ番組のコラボレーションは珍しい。「美肌一族」はもともと通販化粧品のキャラクターとして知られる。

▼【出来事】『かんなぎ』BS11での放映中止(8日)

 BS11は『かんなぎ』の同局での放映が中止となったと発表。同局ではその理由を「都合により」としている。他局に続き11日からの放映が予定されていた。その後、BSジャパンにてBSデジタル放映がなされる事となった。

▼【TV】『BLEACH』190話で「大人の事情」告知(14日)

 『BLEACH』は前週放映の「新隊長天貝繍助篇」最終話にあたる189話より放映時間が移動したが、この日放映の190話「死神図鑑」コーナーにて、「今週から放映時間が変更」と作中人物が言及。それに対して「大人の事情で前週からです」とのテロップが出た。

●11月

▼【出来事】『あさきゆめみし』から『Genji』へ(10日)

 1月よりノイタミナ枠で放映が予告されていた大和和紀原作『あさきゆめみし』のアニメ化が企画変更となり、『Genji』とタイトルを改めたオリジナル作品として放映されることが発表された。

▼【TV】『ONE OUTS』監督が登場してお詫び(26日)

 『ONE OUTS Nobody wins,but I!』8話の終わりに「番組からのおわび」を放映。監督の佐藤雄三本人が登場してスコアラー(番組イメージガール)の岡村麻純と共に頭を下げた。第4話で展開上「ノーアウト3塁」とすべきところ、セリフが「ワンナウト3塁」となっていたという。この原因の説明として、実際に絵コンテを示し、「ノーアウト3塁〜!」を「1—アウト3塁〜!」とスタッフが読み違えたことを明らかにした。今後放映される地域およびDVDでは、問題の箇所は修正される。

●12月

▼【イベント】『電脳コイル』日本SF大賞受賞(3日)

 『電脳コイル』が本年度(第29回)日本SF大賞に選ばれる(小説「新世界より」との同時受賞)。アニメの受賞は『新世紀エヴァンゲリオン』『INNOCENCE』に続き、3度目。

▼【TV】『のだめカンタービレ 巴里編』9話で視聴率6%超(5日)

 この日放映された『のだめカンタービレ 巴里編』9話が平均視聴率6.6%を記録したと製作委員会が発表。これは同じノイタミナ枠の『墓場鬼太郎』の記録した5.8%を超える数字。続編の製作も決定している。

▼【イベント】『つみきのいえ』文化庁メディア芸術祭大賞受賞(9日)

 本年度(第12回)文化庁メディア芸術祭の受賞作が発表。アニメーション部門では加藤久仁生『つみきのいえ』が大賞に決まった。

▼【劇場】細田守監督の劇場新作発表(10日)

 タイトルは『サマーウォーズ』。脚本は奥寺佐渡子、キャラクターデザインは貞本義行、アニメーション制作はマッドハウスという布陣。来夏公開予定。

▼【出来事】東北新社『ヤマト』の著作権をめぐりパチンコメーカーと和解(15日)

 東北新社が自ら発表。同社は自社が保有する『宇宙戦艦ヤマト』の著作権を侵害したとして、「大ヤマト」を素材としたパチンコ・パチスロ機を製造販売した三共等のメーカー5社を訴えていた。1審では、東北新社に著作権がないとして訴えが退けられ、同社が控訴していた。5社の一部が2億5000万円の和解金を支払うことで決着したという。

▼【その他】『空の境界』DVD40万枚突破(22日)

 『空の境界』シリーズ4作品のDVD総計が、40万枚を突破したと、リリース元のアニプレックスが公表した。1作あたり10万枚という数字は、単館ベース公開の劇場アニメとしては、驚異的な出荷数。

(08.12.26)