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【情報局】7月の劇場アニメ(1)
ついに公開!『Genius Party〈ジーニアス・パーティ〉』
各作品紹介+初日舞台挨拶レポート


STUDIO4℃が才能溢れるクリエイター陣を集結させ、制約ゼロでショートアニメを作らせる注目のプロジェクト『Genius Party〈ジーニアス・パーティ〉』。その第1弾の劇場公開がついにスタートした。

▲福島敦子監督作品「GENIUS PARTY」

福島敦子監督の本格的アニメ復帰作となる「GENIUS PARTY」は、どことも知れぬ世界に暮らす生物達から“ジーニアス”が誕生する過程を、エネルギッシュに描いたプロローグ的作品。シュールでプリミティブな世界観と、奇妙だがどこか可愛らしいキャラクター達の躍動が見どころ。

▲河森正治監督作品「上海大竜」

サテライトから参戦した河森正治監督の「上海大竜」は、ノスタルジックな面影を残す上海の下町を舞台に繰り広げられる、SFアクションコメディ。先読みできないスピーディな展開と、主人公のキュートな鼻タレ坊主の活躍が楽しい、盛りだくさんの娯楽作だ。

▲木村真二監督作品「デスティック・フォー」

美術監督・木村真二の監督デビュー作となる「デスティック・フォー」は、ティム・バートンの絵本を思わせるキモカワイイ世界観と、すっとぼけた語り口が魅力的な3DCG作品。脚本を構成作家の高須光聖が手がけ、お笑いコンビ“カラテカ”の矢部太郎や、山口智充が声優として出演。音楽を『マインド・ゲーム』の山本精一が手がけている。

▲福山庸治監督作品「ドアチャイム」

ベテランマンガ家の福山庸治が初めてアニメ監督に挑戦した「ドアチャイム」は、1人の高校生の日常に起こる異変をシンプルに映し出す不条理サスペンス。福山マンガのテイストが映像にそのまま置き換えられ、爽やかなエンディングも印象に残る逸品だ。「臥夢螺館」の某キャラクターがいきなり登場するのもファンとしては見逃せない。

▲二村秀樹監督作品「LIMIT CYCLE」

二村秀樹監督の「LIMIT CYCLE」は、ある意味最も『Genius Party』らしい、作家性に溢れた実験的作品。1人の男の哲学的なモノローグと共に、都市や宗教といった様々なイメージの解体と再構築が、華麗にサイケデリックに描かれる。これまで様々な作品でデザインワークスを手がけてきた二村監督の、技術的な集大成としても見られる意欲作だ。

▲湯浅政明監督作品「夢みるキカイ」

湯浅政明監督の「夢みるキカイ」は、優しいママと温かいベッドを失った赤ん坊が、フシギな世界でサバイバルする姿を描く寓話的ファンタジー。湯浅作品らしい奇抜なビジュアルと、ペーソス漂うストーリーが魅力的だ。もはやトレードマークとなった実写映像との合成は、本作でも健在。湯浅監督のTVシリーズ『ケモノヅメ』で総作画監督を務めた伊東伸高もアニメーターとして参加している。

▲渡辺信一郎監督作品「BABY BLUE」

トリを飾る渡辺信一郎監督の「BABY BLUE」は、これまでの渡辺作品とはひと味違う青春ラブストーリー。高校生の男女が学校を抜け出し、2人で海に向かう姿を、抑えたトーンで描いていく。思わず顔が赤らんでしまうほどストレートな青春映画的ラストシーンは、ファン必見。キャラクターデザイン・作画監督を安彦英二が務め、音楽を菅野よう子が手がけている。

▲初日舞台挨拶に登場したスタッフ・キャスト。左から渡辺信一郎監督、矢部太郎(カラテカ)、柳楽優弥、菊地凛子、栩原楽人、佐伯幸枝プロデューサー

 公開初日の7月7日には、スタッフ・キャストによる舞台挨拶が行われた。ステージ上に登場したのは「BABY BLUE」に主演した柳楽優弥と菊池凛子、「デスティック・フォー」に出演した矢部太郎(カラテカ)、「ドアチャイム」主演の栩原楽人、そして「BABY BLUE」監督の渡辺信一郎と、STUDIO4℃の佐伯幸枝プロデューサー。以下に、各ゲストのコメントを紹介する。

渡辺信一郎監督 長い年月をかけて作ったので、こうして上映できる事を嬉しく思います。特にアメリカでは、アニメは今や3D主体で、手で描く作品が少なくなっています。料理で喩えるなら、この「BABY BLUE」はファーストフードのような作品とは違い、スローフードのように熟練したシェフが時間をかけて作った貴重な映画です。見る人にも時間をかけて見てほしいです。

柳楽優弥 「BABY BLUE」の見どころは、全部見なきゃ分からないので全部が見どころです。GeniusのPartyを楽しんでいってください。

菊池凛子 アニメーションに参加するのは初めてでした。「BABY BLUE」は、これから夏にかけての季節感が今にぴったりの作品なので、ぜひ観ていただきたいです。

矢部太郎(カラテカ) 素晴らしい共演者と一緒に仕事できて良かったです。(柳楽さんと菊池さんは)カンヌ映画祭とアカデミー賞ですが、私は影の薄そうな人ランキングでグランプリを獲った事があります(笑)。今回、声優としてのポテンシャルを感じたので、今後はお笑いだけでなく声優も視野に入れていきたいです。

栩原楽人 『Genius Party〈ジーニアス・パーティ〉』という映画全体が、とにかくもの凄く面白いので、楽しんでください。「ドアチャイム」は夢に出てきそうな焦る気持ちになる作品です。ぜひハラハラしてみてください。

佐伯幸枝プロデューサー ご覧になってくれる方がいるからこそ“制約ゼロ”で作る事ができました。お友達やご家族にも薦めてください。観終わった後は、言葉にできない感想が残る作品です。後に残るその時間が、この映画の価値であり、見どころだと思います。

『Genius Party〈ジーニアス・パーティ〉』
シネ・リーブル池袋他、全国劇場にて順次公開中

●キャスト
柳楽優弥
菊地凛子
山口智充
矢部太郎
栩原楽人
岩井七世
小倉久寛
三上博史

●スタッフ
監督/福島敦子「GENIUS PARTY」、河森正治「上海大竜」、木村真二「デスティック・フォー」、福山庸治「ドアチャイム」、二村秀樹「LIMIT CYCLE」、湯浅政明「夢みるキカイ」、渡辺信一郎「BABY BLUE」
プロデューサー/佐伯幸枝
エグゼクティブプロデューサー/田中栄子
音楽/井上薫「GENIUS PARTY」、中川俊郎+井筒昭雄「上海大竜」、山本精一「デスティック・フォー」、combopiano「ドアチャイム」、FENNESZ「LIMIT CYCLE」、竹村ノブカズ「夢みるキカイ」、菅野よう子「BABY BLUE」
音楽プロデューサー/渡辺信一郎
アニメーション制作/STUDIO4℃

●公式サイト
http://www.genius-party.jp/

●関連サイト
STUDIO4℃公式サイト
http://www.studio4c.co.jp/
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(07.07.12)

 
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