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【REPORT】さよならテアトル池袋
トリを務めたのは『時かけ』


 「テアトル池袋」が去る8月31日、26年の歴史を閉じた。1989年にはアニメ専門館を名乗り『トップをねらえ!』等を上映、アニメ専門館の看板を下ろしてからも、2002年の夏には『XEVIOUS』等のアニメ4本を週替わりで上映するなど、アニメファンに親しまれた映画館だ。アニメスタイルも、第22回「『コゼットの肖像』と色んなアニメを観よう大会」でお世話になっている。
 奇しくも同館では、細田守監督の『時をかける少女』がレイトショー上映中で、フィナーレを飾ることになった。

▲エレベーター前には閉館を伝える看板が

 映画館にうかがってみると、館内は立ち見客でいっぱいで、満員札止め。帰っていただいたお客さんもいるほどとか。同館の関係者も、素晴らしいフィナーレを迎える事ができた喜びと、休館せねばならぬ悔しさとで、複雑そうであった。
 『時をかける少女』の上映終了後、細田守監督と、角川書店の渡邊隆史プロデューサーが壇上にのぼり、観客への挨拶に立ち、テアトル池袋にまつわる思い出を披露した。渡邊プロデューサーは「Newtype」誌の編集長時代に、19周年のイベントを開いたのが思い出に残っていると語った。一方、細田監督は『老人Z』や「シコふんじゃった」を同館で観たという。そして2人とも口々に、いつ観たか、そのあとどうしたのかといった「体験」が映画を観る愉しみであると語り、休館を惜しんだ。

▲細田監督と渡邊プロデューサーのご挨拶

 実は入館時に、観客全員にテアトル池袋側からお茶のペットボトルが配られていた。最後に全員で乾杯しよう、という粋な計らいである。細田監督の「映画館の神様、お疲れさまでした」の発声とともに、全員がペットボトルを掲げて乾杯! 「お疲れさまでした」の声と拍手が鳴り響く中、テアトル池袋は幕を閉じた。

▲場内で最後の乾杯


(06.09.05)


 
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